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司会 すごく長期にわたって考えると、やはりグローバリゼーションとIT化のなかで、地価に関しても予想価格均等化の問題があって、実際にバブルの崩壊というのはそういう側面があったんだと思うんですよね。で、地価を私も非常に大きな日本経済のダウンサイズ・リスクだと思っているんですが、実はすごく割と近い話として、地価に大きな変動を見込まないとしての例として、富士総研が1つ試算をやっていますよね。

つまり、バランスシート調整はあとどのくらい必要になってくるんだろうかということで、これはもちろん前提に前提を置いた積み上げですが、今の上場会社だけで64兆円ぐらいのあれが出てくると。これがいろんな形で銀行の不良債権にはね返ってくる。これも大きな前提がいろいろと置かれているはずなんですが、22兆円ぐらい不良債権の償却をしなければならないというのが出てくるんですよ。そうすると今まで大手銀行で50兆円ぐらいやっていますよね。あと22兆円だというと今大体7割きたということで、7割といわれれば割と実感に合うんですね。半分は超えてるけど、まだ最終局面ではないというようなね。

質問は、これは意外とマスコミでは議論しないんですが、資本注入ができるのは来年の3月までですよね、法律上。だからその22兆円の償却がどのくらいできるのかもちろんわからないんですが、その当面の見通し、来年の3月までのことを含めた、それを我々はどのようにみておく必要があるんでしょうかね。

 

A それとちょっと補足でおうかがいしたいんですが、今日は話題に出てなかったですが、生命保険会社についてる契約者保護機構に今はなったんでしたっけ。非常にお金の手当てがはっきりいって不足していると思うんですが、そこについてもどう考えておいたらいいのかということもお聞きしたいんですが。

 

浜中 土地のほうは、本当によくわからないのと、銀行によって、だからマクロの議論がここまでくると私ども本当にうまくできなくて、なんか抵当というのは順番があったりするんでしょう。ですから銀行によって同じ地価が下がっていても、うまくタッチ&セーフというところもあれば、全然だらしないということが起きちゃうというと、1番抵当、2番抵当、3番抵当とあると、そういうことが起きちゃいましてね、なかなか実感としてもよくわかりません。だからこれはミクロからアプローチしていくとそういうことにどうしてもなっちゃうのかなと思うんです。

一方で、まだまだ地価は下がるのかなという意見もあるんですが、何ていうんでしょうか、今本当によくわからないのは特に12チャンネルあたりでよくやっている億ションがどんどん売れているとか、ああいう現象が一方でありますので、どんなふうに推移していくのか本当にわからないんですね。

 

 

 

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