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東ヨーロッパは一生懸命我々はこれからはデモクラシーやりますといっていながら何もやってなかった。東南アジアだけ一番まじめにデータを出したけど、そのデータを出していたところでもってあのアジア経済危機が起こった。そして、何が起こったかっていったらハードランディングですよね。群集行動でもって。誰かが東南アジアから金を引き揚げたといったらみんなファって引き揚げたわけでしょう。

だから、そういうことを考えると日本の国内のマーケットで考えても、キャピタル・マーケットもまだ十分マチュアーになっていませんから。で、仮にマチュアーになっていても今東南アジア危機であったようなことがあり得るし、マチュアーになっていけば少しそういう度合いがないかと思いつつも、誰かが売ればみんな一斉に売る、誰かが買えばみんな一斉に買う。誰かが売ったんなら危ないから売る。これはある意味で当然経済合理的なんですが、それがパニックを引き起こすように一気に起こるような行動はどうかと。

これはもう本当に難しい問題で、答えは多分ないんで、常にそういうリスクを見つつもキャピタル・マーケットの何ですかウィドスというんですかブロードネスというか、それとデプスというんですか、広がりと深さをもたしていくということしかないんで、これは1日にしてできないんで、何年かけてでもやっていくことになるんだと思いますね。

 

A 1つ、この頃今出ていた議論と関連しているかよくわからない点ですが、銀行の貸し出し残高を見てますと、先ほど7ページの表で総資産残高および対GDP比というのが銀行の総資産残高の下にあったと思うんですが、大体全国銀行ベースで5パーセントぐらい前年比で減少傾向が続いていると思います。その裏側にあるのは、やはり企業がフリー・キャッシュ・フローが膨らむとまず何をするのかというと設備投資より前に、借入の返済をやって財務バランスを改善する過程が続いていると思うんです。

その場合、先ほど間接金融、直接金融の話がありましたが、既存の銀行がどこで儲け口を見出していくのかというのは相当大変になってくるというふうに思います。さらに、バズラー・フォローに関して浜中さんが言及されたように、よい手法を銀行は立てるため、やはり貸し出しで儲けなければいけないと思うんですが、なかなかその関係が難しい。恐らく国債を買っているのもISバランスの事後的な処理として銀行は買っている分が強いと思うんですね。

 

 

 

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