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例えば、もう少し古く言えば第1次オイルショックのときは、福田さんが公定歩合を4.5パーセント水準から一気に9パーセントに上げた。これでもって第1次オイルショックを克服したんだと。第2次オイルショックも、したがって起きた途端に福田さんがやったことと同じことをやろうと9パーセントにポーンと上げようということをやって。ですから日本は、かなり高度成長体質でもって、金利をバンバン上げたり下げたりするということに非常に長けてきたというインスティチューショナル・メモリーがあるなかで、今日金融機関の状況が大変違う。で、インターナショナルの金の動きも大変自由になっている。

そういうところで、どういうふうに金利政策を実行していくのかという、そういう議論の設定をぜひしていただきたいなと思います。1つ金融機関のバランスシートが傷むというだけじゃなくて、金融資産のバランスシートが傷むという言い方よりは、金融資産のバランスシートにいい影響が与えられることによって、レンディングが変わっていくとか、キャピタル・マーケットで国債を買ったり売ったりする行動が変わっていくという、そこらへんがうまくエデュケーショナル・エフェクトも含めながら始まっていかなければいけない。そこらへんがどうも議論されないまま、今までみたいな雰囲気で金利を上げ下げしたいということがあるとすると、大変だという意味で私は問題提起しているんですけれども。

 

司会 ちょっと、あえて今のCさんの銀行のビヘイビアということで、ものすごく一般的だけど重要な質問になるんですが、日本の銀行のビヘイビアというのは、いろんな浜中さんなんかのご努力の結果、本当に外部のものにトランスパレント(透明)なものに変わったんでしょうか、という質問に対しては浜中さんどんなふうに…。

 

浜中 これはある意味では逆に永遠に答えがないんですよね。すごく情報が開示されていて、ラテン・アメリカとかアフリカとか東ヨーロッパに比べて情報の開示がされていた。これは斉藤さんに助けていただきたいんですが、あるいはやっつけられちゃうかもわからないけど、東南アジアはIMFが進めたデータの公表を一番やっていたんですね。1994年ぐらいのメキシコ危機以降、エマージング・エコノミーはデータを公表すべきだといってラテン・アメリカは、私悪口言っちゃあいけないんです、ブラジルからこの間なぜか勲章貰っちゃたんですけどね、だからブラジル以外のラテン・アメリカってことにしますけど(笑)、要するにすぐサボるでしょう。だから何もやっていない。

 

 

 

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