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司会 でも、それはそうすると国債を乱発して、乱発されている国債を持っている限りは、どちらにしてもそういう問題になってくることになりますね。

 

C そうです。ただ、でもじゃあ国債を持っている銀行というのは一体なんだろうか。つまり銀行として機能してないわけですよね。だからつぶれてもいいんじゃないか。だから…。

 

司会 そういう議論はわかりますね。

 

C つぶれてしまえば今度は国債の価格が下がって、大蔵省は国債の発行ができなくなるから、そうすると亀井さんも無理やり国債を発行しろと言えなくなるから、いいことじゃないかと。

 

司会 質問の趣旨としては日銀の行動というよりは、乱発されている国債を保有するというその銀行の行動を、ビヘイビアをどのように理解するかという質問でいいですか。

 

C ええ。

 

浜中 いや、何ていうんでしょうかね。私も主計局で調査課長やりましたんで、その国債の発行というところは非常に悩ましいんですが、恐らくこれはいわば外政的に与えられることとか、政治的に決められる話ですから、金利が高くても国債を発行しなきゃいけなければ国債を発行するというだけの話なんで、そこで何かプライス・メカニズムが働いて国債が発行できないということには多分ならない、そういう問題だと思うんですね。どちらかというと館先生がそういう考え方なんですけどね。

それで、じゃあ今度こういう時代での金融政策がどうかというと、最近は日銀も独立性が強くなりまして、あまり私なんかが発言してはいけないことになっているんですが、こういう場ですから申し上げると、何ていうんでしょうかね、まだまだ日銀のなかというか、あるいは金融政策を論ずる人のなかには、あえて先ほど私が申し上げましたように、バブルを退治しなければいけないということで、いわば十何ヵ月のうちに何回も金利を上げていくこと、それこそ望ましいことだ、いいことだといって、経済政策論とは別に、勧善懲悪的な観念でもって金利政策を決めようなんて勢いが、どうしても日本社会にはあるわけですね。

で、それはちょっとバブルという特殊な状態だよっていうことかわかりませんけれど、逆にそれがインスティチューショナル・メモリーとなっている。

 

 

 

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