ちょっと14ページまで飛んでいただきますが、日本の銀行が儲かっていない、儲けていない。何も中小企業者に対して急に高い金利をオファーして、儲けろということを言うわけではございませんが、儲かっていない。やはり日本の銀行の行動には何か反省すべき点がある、直していかなきゃならない面があるんじゃないか。
とりわけ我々が今注目しておりますのは、この真中へんにありますROE (= Return on Equity 資本利益率)ですね。シティーグループが35.6、バンク・オブ・アメリカが32.6、香港上海銀行が28、チェースが34というふうにご覧いただいて、これはTier 1の自己資本の大きさ順に並んでますから、むしろROEの順番に並べたほうがいいんですが、このROEの順番で並べますと、日本勢が下のほうにチマチマと並んでしまうということになりますので、あえてこういうふうな表にさせていただきましたが、ROEを高めていく必要がある。またこれは銀行業以外もROEでもって判断するということがされているわけですから、銀行業だけ違う物指しで測るというよりは、異業種との交流も行われるという時代にあって、ROEでいくべきだというふうに考えています。
しかし、今度ROEを高めていきますと、株主資本なりいい資本がたくさんあるということが前提になる。いい資本がたくさんあるということになると、儲けなければならないという関係になりまして、18ページになりますか、告示の1のほうに書いてあるのは実は時価会計になるので、この自己資本比率の計算がどういうふうに変わるかという大変重要なんですがややテクニカルです。
告示の2のほうをむしろご覧いただきたいと思うんですが、今回ガイドラインを改正するにあたって2のほうをあえて書かせていただいているんですね。2のほうの第2パラグラフの真中へんからいきますと、「自己資本の中でも基本的項目(Tier 1)は、リスク吸収基盤として安定性が高く、国際的にもバーゼル銀行監督委員会などの場において、株主資本を中心とした良質な資本として、その充実の必要性が強調されている」と。したがって、儲けなければこういうことが実現できない、こんなふうなことにもなります。手数料商売もあるでしょうし、社債の取り扱いを銀行が行っていくということもあるかもわかりません。
20ページを見ていただきますと、個人の金融資産で日本は圧倒的に預貯金が高い。