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それから、21ページにちょっと書かせていただきましたが、投資信託が日本でも結構売れるようになってきた。これがアメリカでいうほどに売れるようになるかどうか、これが大変将来的に注目されるわけですが、この投信の左上のほうの残高の推移を見ていただきますと、先ほど申し上げたようなバブルのピークの時期には株式投信がかなり売れましたが、その後落ちていく一方。その間公社債投信が少しずつ伸びて、今60何兆というところまでやってきたと。

98年の12月から銀行窓販が行われるようになって、最近時点で5兆円に達したということになりますので、言ってみれば全体の10分の1ぐらいが銀行窓販による投資信託の販売ということなんですが、私のようなやや古い人間からいたしますと、昭和50年代に国債を銀行窓販でやって、初めの5、6年はよかったんですが、その後あまり伸びなかった。で、投資信託はどうなるんだろうか。

実は、これから銀行の窓口で、保険も販売されるということになりますので、どうなるんだろうかと。保険のほうは、あまりキャピタル・マーケットに関係しないかもわかりませんが、投資信託のほうですとキャピタル・マーケットのほうにかなり影響する。エクィティーの発行がどのくらい行われるかというようなことでかなり影響する、あるいは公社債投信であればボンドがどの程度発行されるか。こういうことになりますので、ここらへんは将来を占うのに大変重要なところかなと思います。

あと22ページ以降は、いろいろ証券界の動きがめまぐるしくて、皆さんご承知でないかもわかりませんが、例えば投資顧問業者数の登録数なんかも600社を超えているとか、インターネット取引を行っている証券会社が今60社を超えているとか、23ページに入りますと、株式の引き受けの主幹事シェアで、外資系がかなりいいところまで伸びてきているとかですね。あるいは、23ページの右側でいわゆる銀行系証券会社がいろいろ問題も多いのかもわかりませんが、結構主幹事争いで頑張っていて、シェアも高まってきている。新しい動きがいろいろございますので、そこらへんをあとでご覧いただければと思います。

最後に一番心配に思っていることを申し上げますと、26ページなんですが、ユーロがどんどん減価をしておりまして、ユーロのスタートから考えても3割減価をしている。そんなことで、昔のマルクを知っている人からするとどうなっているんだろうということですが、ドイツを中心に、アメリカに夏休みに行けなければマジョルカ島に行けばいいじゃないかとか、コルシカ島に行けばいいじゃないかということで、どうもヨーロッパ人はまだこのユーロ安の影響というのを深刻に捉えていない感じがあります。

 

 

 

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