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あるいはすぐにでも預金の流出が始まるというときには、自分のほうからちゃんと、自分の財政状況、フィナンシャル・スタンディングスを明らかにして当局にもってくるべきであると。そうすることによって、そこのけじめができますし、そのあとのデュープロセス(手続き)も始まるという考え方を強く言いまして、36条、37条が入った。

36条であれ、37条であれ、自分の財務状態が悪いですということを言ってもらったら、そこから処分が始まるということで、例えば国民銀行とか幸福銀行とか東京相和銀行のときに、皆さんご記憶があるんじゃないかと思うんですが、要するに自分のほうから申し出るか申し出ないかということで、いわば経営者としてのけじめみたいなものもつけていただいたというふうに思います。

6ページのリスク管理債権、不良債権処理額、これはまだ残っているだろうというご質問は当然あろうと思いますし、景気が悪ければ増えるのは当たり前だとも思っておりますが、一方でこの平成9年度、10年度、11年度に30兆円程度でもって、リスク管理債権は減っていないじゃないかと。確かに減ってないという面はあります。一方でご覧いただくように13兆円程度処分をしておりますので、そうすると結局何が起きたかというと、景気が悪くなるのでリスク管理債権が増える。そこで13兆円を処理する。しかし次の年にはまた同じぐらいの額になる。

この間にリスク管理債権の定義を毎年強化してきたというんでしょうか、昔であれば6ヵ月延滞債しなければ延滞債権と考えないものを、3ヵ月でも延滞債権にするというように定義を変えてきました。結果的にこの30兆円ぐらいのところで並んでしまいましたが、定義を毎年強化してきた結果こういうことになってきていると。減るでしょうと言えるとありがたいんですが、これは決算を組んでみないとわかりませんし、今後の景気動向いかんによって、あるいはもっている担保、個別担保の個別の事情によってどうなるかわからないというのが正直なところだと思います。

そして7ページに、これはぜひ皆さんのお知恵をお借りしたいところなんですが、左側のグラフでご覧ください。これは17行の総資産でやってみたんですが、17行の総資産は89年のバブルのピーク以降減ってはきていますが、非常になだらかな減り方でしかないという状況でありました。さらにこちらのGDP比をご覧いただくと、92、93年ごろからもう非常になだらかに推移をして、今100%ちょっとのところと。この水準が85年ごろの水準に見合いますので、バブルをどう定義するかとかいろいろとありますが、いってみればバブル前のような状況に今戻りつつあるということなんですが、一方でこの94、95年ごろから民間金融機関の貸し渋り、貸し渋りといってずいぶん責められたわけでございます。

 

 

 

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