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結局第3者割当増資が主でございまして、ここに出ている第1陣の15行のうち10行ぐらいまでしか公的資金の注入を申請した時点では、だから例えば住友としてはうちでは3,000億とか、うちでは4,000億をマーケットでもって、あるいは第3者割当増資でもって自己努力でしていきますというのは言ってもらえませんでした。

私も自分で言ったけれども、あまりマスコミの方からそこまで注目されるといけないと思って、適当に言葉は濁しておきましたが、実際にはそれを大変強くお願いしまして、その結果大抵のところはその当時の雰囲気もこれありでですね、その前後に自己調達もしていただいた。その考え方は今もずっと続いておりまして、足利銀行、北陸銀行というこの第2欄のところとか、第3欄のところをご覧いただいても、大体そういう方向でやっていただきまして、ついこの間も広島に行って、講演会というか金融庁のPRといいますかやってきたんですが、もうセルフヘルプでもって自己調達してくださいと。最近は大分抵抗がなくなってきました。昔は「キャピタル・マーケットがだめなのによくおっしゃいますね」ってずいぶん銀行経営者の方から言われましたが、今はおかげさまでそういうことかなと。そういう意味で、国民の皆さんの一番根っこのところで理解していただけるような努力が、必要なのかなというふうに思った次第です。

5ページはこれは1つ1つ申し上げませんし、あまりカーテンの後ろでの話で、おもしろい話もございませんが、司会者の方がおっしゃったように大きなところではこういうところを破綻させてしまった、こういうことで大変残念にも思っています。一方で2年前の金融国会で金融再生法という法律ができまして、民主党さんはじめ関係者の方が原案をおつくりになったんですが、そのなかで私どもはいくつかこだわった点がありました。そのなかの1つだけもしお許しいただければご紹介すると、日本長期信用銀行が危なかったというときのことを思い起こしていただきましょう。36条による申請をするか、37条による申請をするかというような議論があったんです。

つまり、36条なり37条を設けていただいたことに実は意味がございまして、金融機関が今まではどちらかというとあれよあれよというふうに倒れてしまう。あるいは倒れそうになると、大蔵省なり日銀に駈け込んで、そこでどうにかしてくださいよと訴えることで(破綻の)プロセスが始まっていた。私たちはそういうことも、なるべく外に出したほうがいいということで、いわば銀行経営者として自分の銀行が債務超過である。

 

 

 

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