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職安というのはブルーカラーの職安なんですよ。ところが、今はホワイトカラー、銀行が合併してリストラ何千なんて言ってるでしょう、それを見るところがないんですよ。ようやく東京に一つあるんですね。今度の閣議で決定して、これから全国十何力所につくろうという。ホワイトカラー向けの職業案内が各県に1カ所もないんですよ。カウンセリングをやったり、どこへ行きたいかという。これは全国ネットなんですよ。まさにインターネットの時代なんです。千葉県のどこかでホワイトカラーが失業する。私の地元の成田の職安に行ったって話にならないんですよ。「どこか廊下掃除のところならありますよ」と。だから、今度は人を殺しちゃうわけですよね。どこもないんですよね。

リクルートというのはやはり大変いい会社ですね。この間空港公団の総裁と話をしたら、電気関係の特殊な仕事でどうしても人がいないので探していた。労働省なんかに頼んだって、そんなの全然わからない。リクルートに頼んだら、全国に5、6人だけど登録して持っていた。そこからすぐ人に来てもらった。そういうことがリクルートはできると言ってほめてましたよ。

 

F 先ほど水野先生が、菅さんが日本版GAOみたいなものをつくろうしているというお話をされていましたが、僕らから見ると、行政府でやろうが立法府でやろうがどっちも役人で、アメリカなんかでは議会スタッフといういわゆる立法府官僚みたいなものの肥大化が問題になったりしているわけですね。どっちでもいいような気がするんですが、先生が我が国立法府にいらっしゃって、どっちにあった方が本当に効率的だと思いますか。

 

水野 立法府でなくてもいいけれども、会計検査院みたいに内閣の外でないとだめですね。要するに、行政評価ということでこれから何をしようかということは役人が考えるわけです。それは、その役所が国土交通省なら、「今度はこういうことをやろう、これなら予算がつくと、我が省の我が局はこれで繁栄する」ということを頭に入れてやっているわけですよ。ところがそれは、第三者から見たらいいのか悪いのか問題な場合もある。

例えば、さっきの橋をかけるようなこと。これは道路局じゃいい仕事なんですよ。だけど、省の評価委員会にかけて、さあどうですかね。これもしかし、道路局のお力で「いいことだ」ってお墨付きをもらってくるでしょう。それが今度は、総務省の評価委員会にかけて何と言うかというと、何だかんだ言ったって根回ししちゃいますよ。

 

 

 

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