水野 人事院というのがありますからね。
F その人事院は年次の逆転を認めないということではないでしょう。
水野 認めないです。すごいですよ。村山内閣の時の官邸機能の強化で、内閣の5室長を次官補級(10級というのですが)に決めました。国会が決めて内閣も同意したことがあります。ところが、その時の内閣調査室長、大森さんという人ですが、9級にしかしてやらないのです。なぜだと聞くと、彼は未だその年次ではないという答えが返ってきました。このポストに10級職を与えるのだと言っても、いうことを聞かない。大変な隠れた権限を持っている。
F それはだけど、法律で決まっているわけじゃないでしょう。
水野 ともかく、人事院の給養2課長というポストがあります。あそこに大蔵出身を置いて、給与面から各省を握っている。
F そういう役人のいわゆる抵抗が一貫としてあるわけですね。
水野 それはすごいですよ。国会議員は表面ばかりみているが、こんなところでも、逆に一本とられています。
C それ以前に、民間企業もそうですが、一生面倒見てもらえると思うと、やはりそこの利益を拡大したがるのはしようがないですよね。そこのところを横に滑る。銀行で首つったりする人たちもいるけれども、本気でもって変われたらあんな首つる必要はないわけですよ。やはり、このところからどう見ても逃れられないし、この人に切られたら困るからそこでみんな頑張ってしまうわけでしょう。普通、横に滑って行かれれば嫌なことは嫌と言えるけれども、多分今の役所の中で嫌なことは嫌だって言う勇気というのは、僕たちもよく皆さんには言うんだけれども、現実問題として、それはもう完全に離脱するというふうな話になってしまいますよね。今見てるとね。
A まあ、離脱する人も増えてるんですけどね。いいことだと思うんですよね。
水野 そういう方々同士で何か横の連絡を取って、いろいろなことをやっているじゃないですか。
司会 私は、横に滑ってきましたので(笑)、非常にわかるんですが。さっきちょっとお伺いしたかったのは、ポリティカル・アポインティーの制度が、少なくともやはり内閣官房はそれでやろうと。先生としては、当初のイメージとかなり近いものになっていらゃしゃるんですか。あれ十何名ですか。