役人の能力を殺して使っているんですね。そこのところが問題だと思います。やはり公務員制度を変えなきゃだめですね。
それから、せっかく内閣府にポリティカル・アポインティーをほとんど使うようにしてあるわけですが、私はこのままでは民間から人があまり来ないと思います。
行革会議の議論が、最終報告になり、基本法のところまでは大体よかった。しかし、各省設置法や独立行政法人の細かい規定を見ていると、「専門の人がまず当たり、それから、民間からも人を入れる」と、ただし書きで全部文章が変わっています。当初われわれはそういうことを考えなかったんです。そのかわり、内閣が変わったら全部官房の人々は入れかえなきゃだめですと書いたのです。そうでないと責任がないんですね。人の悪口言っちゃうけど、村山総理みたいに秘書官まで居抜きでもらった人もいるわけですからね。政治というのが今、やはり官僚に頼ってやっているわけですから。ですから今度、政治家はたくさん行政組織に入るけれども、なかなかこなせる人はないでしょうね。この間、法務省の人たちと懇談したとき、「御用心なさらんと、職務権限がはっきりしていますよ、今度は」と言ってますからね(笑)。
F Eさんが言われたことは大変正しいと思いますが、そんなすごく大手術を要する話じゃなくて、単にあなた方キャリアの官僚が、同期より下の上司に仕えることに甘んじるということで意識の改革を図れば大分改善されるんじゃないですか。登用すればいいんだから。
E それは一つの考えだと思いますが、私が申し上げたいのは、例えば大蔵省でも、役人を20年ぐらいやりますと、だめなんですよ。ですから、むしろ半分ぐらい民間の人にしないとやっていけない。だから、年次の逆転なんか当然だと思いますが。
F 絶対に今認めないですよね。
E 私は認めておりますが。やはりそれはシステムですから、むしろやはり政治の方で変えていただくということだろうと思いますけどね。
F それは、今おっしゃった任用をどうだこうだという話じゃなくて、まさに年次の逆転なんていうのは運用、人事の問題でしょう。あしたからでもできることですよね。
E 小役人にはそれを望んでも無理ですよ、それは。
F それはそうなんだけれども。
E それは政治でそうやっていただく。