あれは次官級にしたんです。お役人の発想ですからね、給料のベースだけ上げていくわけですよ。それじゃだめなんですね。あそこが本当に機能するには、総理大臣が「官房長官よりあいつに話を聞いた方が間違いないよ」と言う人を持ってくればいいわけです。ですから、そこは運用だってできるんですけどね。ですから、内閣を切り回す政治家の資質の問題になるかもしれない。
E 一つよろしいでしょうか。私は大蔵省で国際金融の仕事をさせていただいておりまして、まだ若造なので恐縮なんですが、95年から98年まで、ちょうど司会者の方ともだぶるんですが、アメリカで大学の先生をしていたものですから、この行革に全く興味がなくて、知らないまま帰ってきたんです。
ぜひインプリメンテーションはきちんとやっていただきたいというのはAさんと同じ意見です。器はどんな形であれ、変わることはいいことだと思うんですが、器もさることながら、多分インプリメンテーションがスムーズにいくためには、行政改革よりもっと難しいかもしれませんが、公務員の終身雇用制度をなくすという、任用の方も思い切っていじっていただいた方が、インプリメンテーションがうまくいく。
つまり、老後の保障があると思うからみんな政令と省令をいじろうとするわけで、ともかく課長以上は全部中途採用だと。それから、局長以上は全部政治任命だというふうにしていただくと、スムーズにいくんだろうと思いますし、われわれ若手は非常に元気が出てきて(笑)いいんですが、ひとつ御検討いただきたいと思います。
水野 実は、行革会議の時、わきで公務員制度調査会をやっておりました。その頃、最初から私は「ああ、だめだな」と思ったんです。しかし、そんな余計なところまで口を出すと、とても自分の預かった仕事もできないものですから、手を出さなかったんですが。
おっしゃるように、キャリアの課長補佐から上だけは内閣の人事局で、今は総務庁の人事局ですが、あそこで握って、それで運用していくと。調べると、課長補佐以上が5000人弱なんですよ。上級職全部を握ることはとても出来ない。しかし課長補佐以上なら、各省の意見を尊重しながら上手に運用していける。そこにやる気のある人がいっぱいいるわけなんですから。行革会議で集まった人も全部課長補佐以下なんですからね。内閣で行革の仕事をしている人たちは、もうちょっと上らしいですが、大変みんなやる気があるんですが、もう局長になったり次官になると、ともかく卒業後のことを考えちゃう。