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例えば、広報官なんかは、私は新聞社とかテレビ局の編集局長をやったりなんかした方がいいと思うんですが、日本のマスコミも縦割りでしてね、朝日から取ると読売が反発するとか、そういう問題があるんでね。NHKから取ったら今度は民放が反対するかもしれませんね。近年、報道関係は、考え方が縦割りになってしまっていますから、なかなかいい人がいないですね。

しかし、広報官というのは、私は本質的には役人では無理だと思いますね。今度は確か、国土庁の次官をやった近藤さんという人は、割合にいい人です。建設省で昔、広報課長をやったことがある。私が確か大臣をやったとき広報課長になった非常にいい人です。いい人ですが、やはりお役人ですからね、決め付けては悪いが、発想が違うでしょうね。

それから、もうちょっと格を、単に次官級とか何とかにするだけじゃなくて、官房長官は記者会見を1日3回ぐらいやってるんですか、そのうち2回は広報官がやれるようにしてやらなければいけない。1回は官房長官がやる。すると、副長官級にして、閣議の傍聴ぐらい、閣議に出たって閣議の中味は大したことはやってないんですが、閣議にも出ているということ。それから、内閣の重要会議には全部出席をしているということ。それから、総理大臣の信任が非常に厚いこと。これは、アメリカの報道官と同じでないといけません。

 

C アメリカの広報担当なんていうのは取締役会に出ていますよね。

 

水野 そうですよ。民間は。ですから、そこまでに持っていかないといけない。それは、内閣がなかなか決断がつかないんですね。官僚たちは、ものすごく嫌がりますね。

 

D 出ても意味がないんですよ。サインしているだけだから。

 

水野 だけど、閣議にも出てるんだよということでないと、それは内閣記者会が信用しないんですよ。「閣議に出てみたが、つまんないところだよ」と言ってればいいんですよ。「大したことじゃない。おれの方がよく知ってるよ」と。だけど、出ているからわかる。

 

D おっしゃるように、閣議に出ていると、いろいろな閣僚とか、総理にアクセスが頻繁になって、情報が多くなるということだろうと思います。

 

水野 そうそう。情報量が多くなりますよ。閣僚と対等でやらないと。だから、国務大臣みたいなものをつくってもいいんですよね。

 

 

 

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