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しかし、省に格上げして、権威を持たせねばなりません。ですから環境省を今後どう活かすのかということは大問題であります。

ただ、問題は、さっき総論的なことで申し上げませんでしたが、今度は縦割り行政を廃止するために、各省間の調整をどんどんやれというふうに書き込んであります。しかし、調整をやってもどうにもならなかったら、内閣官房に上げてきなさい、内閣法12条にもとづく強力な調整権でそれを整理しますというふうに書いてありますが、それがどう実現されるのかということであります。

それから、各省の中で、通産省が単なる産業育成だけではなくて、産業面から経済をやりたいと。これは最初から経済産業省になっています。

次に国土交通省ですが、ここで私どもが意図したのは総合交通政策であります。これは日本の物流コストが非常に高い。べらぼうに高いのであります。これが国際競争力の問題に響いてきます。一つは道路建設のコストが高い。建設会社の談合とかいろいろな問題がありますが、まだ本当にメスが入っていない。高速料金を下げないとなりません。

もう一つは、よく申し上げているんですが、道路関係の財源は目的税で、11年度は3兆4000億円です。河川局は1兆5000億円ぐらいであります。飛行場建設の予算は少ない。要するに国内航空は8000万人の人を運んでいますが、空港整備特別会計という会計があります。これは4674億円ですが、実はここに入っている真水は689億円であります。あとは何だといいますと、全部消費者負担のお金が入っているわけです。

例えば、皆さんが飛行機にお乗りになると、ジェット料というのがあります。今の世の中、全部ジェット機なのに、珍しかった時のジェット料をいまだとっています。昭和30年代にやった収入源を国民に返せないわけですね。これを返すと1000億ぐらいの金をどこかで見なければならない。ですから、主計局も運輸省もぐるになって、目をつぶって、まだ相変わらず取っている。だけど、ジェット料ですから、航空券の中に書き込んである。これなど、もっと国民が反発してもよいのです。それから、燃料税が899億も入っています。

あとは、着陸料。これが今大きな問題になっているのは御承知のとおりであります。関空が104万円ぐらいですかね。成田空港93、4万円であります。金浦空港(ソウル市)だとか周辺の空港はみんな20万、30万円であります。ですから、とても国際競争に耐えられません。

 

 

 

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