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名前は後からつけたというわけであります。「独立行政法人」という名称は、行革会議になってから。やはりお役人はそういう点でいい名前をつけてくれたと思っています。

これは御承知のとおり、企業会計で現場をやらせ、サービス向上に努めようということであります。本来私がねらっておりましたのは、実は法務省の登記。これはなかなか収入があるんです。1千億円近くの収入があってバランスが取れています。今ちょっとコンピューター化でネットワークをつくるので毎年400億円ずつぐらい特別な予算をもらってやっていますが、これが終われば、もう収支とんとんでいくわけです。

それから、通産省の特許庁というのも、どうも非常に図書館的で、日本の特許庁ぐらい居眠りしているところはないと。通産省の人はそんなことはないといいますが、私は、そう認識しています。これを活性化するのは、独立行政法人の方がいいんじゃないかという気がして、これも挙げました。

それから、大蔵省の理財局の国有財産管理。国債などは別であります。むしろ、土地をたくさん持っている。今、土地の相続税が物納でどんどん増えており、膨大な土地を持っています。昔は一つの局であったんですが、これが理財局に合併して、さらに今1人の局次長さんが専門で担当しています。これなんかすばらしい独立行政法人ができると思うんですが、こういう大物は全部逃がしてしまいました。

これは、最終的には、やはり橋本内閣の内閣改造で、佐藤さんの問題でつまずいた後、こういうものを押し切るのは、やはり内閣の力がないとできない。私は相当青筋立てて大げんかをしたんですが、結局逃げられてしまいました。大蔵省の造幣、印刷は、むしろ書くだけ書かせてもらっておいた。そうしたら、前の総務庁長官の太田誠一さんが必死になって追い込んで、最終的に入ったということであります。

大体こういうことです。臨時国会で膨大な法律が出ました。成立するでしょう。これは第3次行革審で試験研究機関の整理、統合をやろうとしてできなかったんですが、あれが何となく下敷きになって、われわれも力んだんですが、サポートしてくれる事務局がやはりそっちに持っていこうとした傾向があって、こんなところで妥協してしまったといえば妥協したわけです。

大型は車検であります。車検は、よく運輸省は踏ん切ったと思います。

それから、貿易保険は、通産省もやってもいいという気持ちを持っていました。通産省の偉いところは、これを民間型でやります。通産省に「これは何で民間型でやれるんだ」と聞いたら、「貿易保険というのは金の運用で、これはちょっと役人にはできないと自分たちで思っている。民間人を連れてきて自由な経営をやらせたい」と。私は非常にそのアイデアはいいと思った。

 

 

 

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