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ですから、今の縦割り行政というのは基本的にはまだ非常に大きく残っています。各省、分担管理の原則です。これは今後も残るであろう。内閣法6条を改正しなければできないということであります。

意外なのは、官房長官をやっておられた後藤田さんなんかは改正反対であります。石原信雄さんは賛成であります。後藤田さんはあまり強い総理大臣をつくらない方がいいんだという観念であります。これは何遍も後藤田さんと折衝したんですが、「おれは反対だ。やるなら死んでからにしてくれ」と言うので、どうせできないと思っていました。そういう経過がございました。

そこで、そう言いながら、トップ・ダウンの行政をやるには、内閣に内閣府をつくろうということになりました。これも、行政改革会議の中、会議を準備する下方では御承知だと思いますが、私だけが孤立していまして、私以外の方々は、恐らく当時の内閣官房の指示があったんだと思いますが、内閣府をつくるということは反対でありました。第1次行革審のときに、これは今度の内閣府より非常に大きい内閣府でありますが、つくろうとしたんですが、全霞ヶ関の反対で失敗をした。それで何遍もいろいろな方に私が案を提出することを考え直すように説得されましたが、内閣法による内閣府をつくる。今の各省は国家行政組織法でつくっていますが、それにもとらない内閣府をつくる。これは何とか成功しました。これは、各省庁再編前期の大きな山場であったと思います。

その中に、御承知のように、経済財政諮問会議、総合科学技術会議、男女共同参画会議、中央防災会議というものを設置したわけであります。

この中でも、特に経済財政諮問会議というのは、御承知のとおり、今度の改革というのは1府12省の12省も大事なことでありますが、内閣府をつくった。内閣府というのは各省の上にあるという規定をきちんといたしました。それで、内閣府によっていろいろなことを考えて知恵を出す。簡単に言えば、内閣官房の連中はポリティカル・アポインティーに、全部政治任命にしてもらって、参謀憲章をつけて、内閣府の知恵を借りて、総理大臣の考え方に奉仕をするという形でつくったわけであります。

内閣府をつくるということがこの改革の半分だと私は思っておりますが、そのまた半分以上のウエートがあるのは、経済財政諮問会議をつくったということであります。

これはもうくどいような話でありますが、簡単に申し上げますと、予算編成の大綱、予算編成作業そのものではありません、大蔵省の主計局を内閣に持ってこいというような意見をおっしゃる方がありますが、あそこはひとつの切った張ったの技術的な集団でありまして、それを持ってきても意味がない。

 

 

 

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