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それで、行革を監視する「700人委員会」というのがありますね、1万円ずつ出していただいて、7百数十人の方に今入っていただいておりまして、これは堺屋太一氏が代表世話人でやっておったんですが、氏が入閣してしまったものですから、私と加藤寛先生で代表世話人を引き受け、時々世話人会をやって、内閣の行革本部の動きをみながら、これはいいだろうかとか、どうだろうかという検討をしております。それで、内閣に文句を言いに行くときは私が行くと。こういうような手順でやっております。割合に私は、内閣の事務局にはパンチが効いているな、各省にも相当なインフルエンスを与えているなと自画自賛をしているんですが。そういうのが最近やっていることでございます。

配布した資料で、1ページの理念とか目標ということでありますが、最初「この国のかたち」を再構築しようというような理念で始まりました。しかし、だんだん竜頭蛇尾になってきていることは御承知のとおりであります。

しかし、その中で少しメモをしてみましたが、おわかりのことと思いますが、行政の総合性、戦略性、機動性を確保しよう。要するに、今までは各省が分担管理をしておりまして、合議制の内閣でしかない、今の内閣は法律的にはそういう存在でありますが、これを何とか覆せないだろうかということが出発点であります。

それで、内閣法の4条の改正、これは総理大臣の発議権を強化するためですが、これは改正されました。12条は内閣官房の企画調整権を強化しよう、これも改正することができました。

ただし、内閣法6条ですが、内閣総理大臣は閣議を経ないと各省に指揮監督権がないという規定であります。これを改正しようと思ってきました。今回だけでなくて、阪神大震災の後の官邸機能の強化のときにも、私は与党3党のプロジェクトチームの座長でこの問題を扱ったのですが、どうしても法制局と意見が合わない。憲法72条と関連して「改正は憲法違反である」と反対する。この議論をやっていますと憲法論になる。この憲法論に入ると延々となってしまって、本来の目的がどこに行ってしまうかわからないものですから、今回も内閣法6条の改正はやめました。

要するに、これは田中角栄さんの裁判を思い出せばいいわけです。「おれはロッキードを使えと閣議決定したわけでもない。だから職務権限は発生してないじゃないか。何で有罪なんだ」というのが角栄さんの公判闘争の基本のラインでありますが、それが逆になっているわけです。

 

 

 

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