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ですから、北朝鮮に対して日本は慎重ではなくて積極的に出る必要があるだろうと思います。特に安全保障問題などについて話をするところにおいては、北朝鮮の立場から考える必要があるかと思うのです。

例えば、今韓国の国防省の1年の予算が北朝鮮の政府が1年間に予算の80%くらいに近づいているのです。それに韓国の陸軍はすごく多いのですが、北朝鮮と比べたら少ないのです。

御存じのように韓国の海軍と空軍は少ないのです。なぜ少ないかというと、アメリカがふやさせてくれないのです。海軍と空軍はアメリカがカバーしてあげるということなのです。しかし、これからの戦争というものは陸軍よりは海軍と空軍がもっと大切なのだと。ですから、ミサイルがどうしても大切なのだということがわかっているわけなのです。

しかし、北朝鮮から見ると、南の方はそれだけアメリカがきちんとカバーしている。また、日本が何でも韓国と話し合いながらやっているということです。北朝鮮はせっかく実験しようというとしているのに引いてしまうとどうなのかというような心配が私たちにあるわけです。ですから、慎重というところにもうちょっと日本は実験を後押しするような政策をとってほしいと思います。

 

H 環日本海総合のHと申します。私は今のコメントに賛成です。簡単に教えていただきたいことがあります。今のお話を聞きながら非常に興味深く思ったのは、日本の政策選択として、金正日の実験を成功させる方向で対応すべきなのか、それとも失敗するに違いないということなのか。

実は7月にピョンヤンに行ったときに、向こう側が強調されたことは、国交回復以前であってもとにかく経済協力をお願いしたい。そういう要望が繰り返し出てきたのです。それくらい日本に対する経済援助というものを期待しているのだと思うのです。

これはある面でいくと、先生がおっしゃった金正日の実験が成功する方向につながってくるものだと思うのです。そういうことで理解してよろしいかどうか。また、日本はそういうことを国交回復の前であってもできるだけのことをするようにした方がいいかどうか。これが第1点。

もう1点は今のミサイル問題と関連しますが、日本人というのは非常に忘れっぽい国民ですから、バスに乗り遅れ論というのは日本は対象にならないと私は思っているのです。

 

 

 

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