現在はみんな譲り合っているということで、だれもドライバーシートに座りたがらないというのが現状であります。結局現状が把握できないからということです。
共通の問題として、リーダーシップがないとどこの国でも内外政策について国民の支持が得られないということではありますが、どういう指導者が政権を牛耳るのであれ、ぜひ日本にも短・中・長期、それぞれの北朝鮮に対しての政策及び方針の図を描いていただきたいというふうに思っています。
北東アジア安全保障フォーラムについては、私は考え方には賛成です。ただ、日本は2点真剣に考えるべき点があると思います。まず、本当に日本は真剣に北東アジアの平和及び安全保障に貢献したいと思っているのかということです。つまり、意欲的に貢献したいというのであれば、ちゃんと負担というのがあるわけです。これは海外派兵の可能性も含めてということです。その辺を十分認識なさっていたのかという点を考えていくことだと思うのです。
第2番目は、プラスのレベレージというのを日本はお持ちなわけです。人道的な支援力ですとか北朝鮮の経済回復を助けるために、安定化させるために投資をするという能力を十分持っていますので、このレベレージを使いこなしまして、北東アジア及び朝鮮半島を含めての安全保障の論議の中でしっかりとした自分の居場所を確保するということが、日本としてできると思います。
私としてももちろん真剣に日本に北東アジアで役割を果たしていただいて、平和、安全保障をもたらしていただきたいというふうに思っています。日本の役割というのは、統一途上、また南北統一、朝鮮統一がかなった後も非常に大きなものがあるわけで、安全保障の問題であるか問題でないかを問わず、いろんな問題で日本の果たす役割は大きいと思っています。
ただ、「2+3」ということでロシア抜きというのはいかがなものかと思います。もちろん、現在ロシアの持つレベレージ、てこというのは非常に低いということは事実です。だからといってロシア抜きでやっていくというのはとても非現実的だというふうに思っていますので、「2+3」というよりは、あえて提案するのであれば「2+2+2」が適当かと私は思っております。
E 防衛研究所のEといいます。具体的な政策提言について大変興味深く聞きました。本来こういった日本のオプションは、日本がとるべき政策、とってはいけない政策というのは日本人が発表しなければならない話です。