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しかし、どれを見ても日本が入っていない。これで北東アジアの安全保障なり協力関係が進むのかといえば、そこから進んで「2+3」になるのか、ロシアを入れて「2+4」になるのか、そうしたフレームワークをホールとして持っているということが私は必要だと思います。できることなら北東アジアの安全保障フレームワークを「2+4」でつくっていく。できることなら北東アジアの経済協力の機構をつくっていく。

今EAECとかイーストエイジアというのが言われていますが、やはり日本にとっては北東アジアの経済的安定と協力関係の強化、そして安全保障の強化の2つが大事です。その意味では、もっと日本はリーダーシップを発揮できるポテンシャルがあると思います。だから、韓国は後からついてこいというのは、ちょっと日本に対してはあまりにも消極的なリコメンデーションになるのではないかと思います。

 

キル わかったところだけお答えします。

まず、バスのスピードというのは日本だけではコントロールできないという点。これは3極のフォーラムでも日米間の協議、日韓との協議の場でもそうですが、日本はこれからはしっかりと短期、中期、長期の計画を立てるべきであるというふうに思います。

特に日本が果たし得る役割は大きいということです。南北朝鮮の統一プロセス中でも、また統一がかなった後でも、日本というのはコリアに対して非常にポジティブなプラスのレベレージ力を持っていると思います。ですから、日本は自分がこういう大きなレベレージを持っているのだということ自体について、いたずらに過小評価し過ぎてはいけないというふうに思っております。

クリントン大統領はこれから消え去る運命ですが、それでも12月か1月にはピョンヤンに自ら行くというふうにおっしゃっています。これがまた大きな契機になって真剣なディベートが始まるということも考えられます。そして、日本政府内もまたしっかりと北朝鮮政策について考えるという契機になるかもしれません。また、日本からもっと積極的にピョンヤン接近を行い、バスに飛び乗るということも十分考えられるわけです。

日本はスピードコントロールをできないということですが、現在のところ、このバスの運転手は一体だれなのか全くはっきりしていません。以前はアメリカがドライバーだったのですが、今はそうではありません。韓国も一見ドライバーシートにいるかのようには見えますが、実は韓国が北朝鮮に対してできる力には限界があるということです。

 

 

 

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