日本財団 図書館


それでも、いったん設定した方向性は変えない。その方向性に向かって淡々と進んでいて一貫性を保っているというのが、非常に評価される点だと思います。

ただ、今後韓国また国会としてこの路線を一貫性を持って全くほころびもなく続けていけるかどうかということについてはちょっと疑念は残りますが、いずれにしても、かなり北朝鮮側の出方にかかわっているということだと思います。

 

D Dです。私は93年の核疑惑のときの外務大臣で、3者会談をやった関係があります。その後、カーター元大統領が訪朝されるということでドラマティックな変化がありまして、その後日本として積極的な対応ができなかったと思います。

しかし、今、吉さんがおっしゃった、北朝鮮に友好的隣人として存在してもらうということは非常に大事なことですから、やはり日本としては積極的に北朝鮮外交に取り組んでいかなければいけないと思っています。これはバスに乗り遅れるか乗り遅れないかの問題ではなくて、日本にとって安全保障上のバイタルな問題だろうと思います。その意味で、ぜひ政治家もリーダーシップを発揮しなければいけないというふうに思っています。

森さんの第三国発言がちょっとブレーキをかけていますが、拉致疑惑の問題と安全保障の問題、ミサイルの脅威、これが日本にとってボトムラインだろうと思います。そのところはニワトリと卵になるのですが、この面で政府がきちんと対応しないとパブリックサポート、経済的な援助が得られない。そこは上手に対応していく必要があるのではないかと思います。

それから、バスに乗り遅れるかどうかの議論。これは日本側だけでスピードを決められるものではない。むしろ北朝鮮側の態度いかんだと思います。というのは、彼らにとって一番の重要事項は、過去に対する補償という名目での経済的な支援をどれだけもらえるかということです。その点については日本も弁解なしに譲るというわけにはいかないので、そこはこれからのハードネゴシエーションが要るだろうというふうに思っています。

最後に、これは質問というより意見で、コメントがあればいただきたいのですが、最近南北サミットつまりバイラテラルダイアローグというのがありました。それから、韓国、日本、アメリカのトライラテラルトークという話し合い。それから、「2+2」、つまり南北、中国、米国というマルチラテラルなメンバーでの話し合いもありました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION