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第2の障害要素は韓国の出方であります。金大中大統領は四者間協議、「2+2」を特に強くプッシュなさっています。

まず2+2タイプの四者間の協議ということでありますが、これは9月の国連サミットで金大中大統領が提言なさったものであります。以前にも四者間協議というのはあったのですが、これと2+2はどこが違うのでしょうか。北朝鮮からの軍事的脅威及び核の脅威が特に激しかったときに四者間協議というのは確かにありました。2つのコリアと中国とアメリカが絡んでいたということで、ここで何度もお互い話し合いましょうと。南北間の対話がうまくいっていなかった時期ですから、あえてこの四者間で何とか南北間で対話を開始させようではないかということで、そもそも設けられたものであります。

そして、特にアメリカと中国が努力をして、2つのコリアを一緒に相まみえさせて会談させましょうということを働きかけてまいりました。ですから、これは韓国ではよく「4-2」のフォーラムだというふうに呼ばれていたときもあります。

金大中大統領は南北首脳会談もあったということを受けて、今回はコリアの人たち自らが立ち上がって自らの誇りと自信をベースにしてイニシアチブをとってきたと。ですから、今までの四者協議も改良する必要がある、「2+2」にすべきだというふうに金大中大統領は思っています。

すなわち、北と韓国がまずお互いに真剣に対話をする。そして、和平と安定に合意をした上で、その後アメリカと中国が保証人というような形でかかわってくる「2+2」を想定しているということであり、これは昔の四者協議とは違うということです。

さて、分担ということでありますが、分担というのは私に言わせれば可能でもない、かつ望ましくもないというふうに思います。普通分担というと、アメリカが国事の責任を持ち、韓国は北朝鮮側との和解ですとか緊張緩和を図っていくということで、経済的な側面は日本が分担するということですが、これはあまりにも単純化し過ぎる構図だと思っております。

現実はもっとチャレンジングでミックスした形であります。例えば、安全保障の問題は経済の問題と切っても切り離せない、経済の問題は軍事の問題と切っても切り離せないという形で、非常に相絡み合っているということであります。また、現実に北朝鮮からの軍事脅威が低減しつつある現在、この3ヵ国は国益として何を重点テーマにするのか、洗い直さなくてはいけないというときにきております。

 

 

 

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