今後の中台関係でいいますと、指摘できる点はまずは3つぐらいでしょうか。1つは窓口といいますか、政策決定の問題ですね。先ほど申しましたように政府内部にも委員会はあるわけですが、それに加えて超党派グループができましたので、この位置付けの問題があると思います。もう1つは、最近は「92年精神」に戻ってといった話も出ていますが、当時の両岸の会談での議論でコンセンサスがあったのかなかったのか、さらには政治対話が実際どうなるのかという問題があります。
それから3つ目は、やはり具体的な変化がみえそうな経済の関係ですね。これはいわゆる「三通」の問題でありますが、金門島のあたりで行われる「小三通」、すなわち小さな「三通」と呼ばれる小規模な直接交流は来年初めからスタートします。陳水扁政権自身も「三通」は実施すると公約で挙げておりましたし、また最近の陳総統の発言をみましても、もうそれは情勢からして不可避なものだという認識が示されております。実際に、行政院も大きな「三通」の方の検討に入っているという話が聞かれてます。
さらに、何といってもWTO加盟の問題があるわけで、これとの絡みで中国との関係において台湾側が今まで通り何らかの規制を加えるということは、どうしてもできないわけであります。そういう意味でもこの問題について今後実務的な動きというのが、だんだんみえてくるのではないかという気がしています。以上です。
司会 本日は本当にどうもありがとうございました。(拍手)
松本 ありがとうございました。
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