第2部 巻末資料
東京財団 第31回 アフタヌーン・セミナー
「陳水扁新政権下の台湾政治―その現況と展望―」
2000年10月18日(於 東京財団 大会議室)
報告者：松本充豊(神戸大学大学院国際協力研究科博士後期課程)
1. これまでの政局の動向
・政権交代という「衝撃」：「台湾の子」陳水扁の当選
・「全民政府」の成立：唐飛氏の行政院長への就任(「陳唐体制」)
・政局の不安定：
財政・経済政策に関する閣僚発言の不統一
「老人手当て法案」などの否決(cf. 福祉拡充策=「三三三福祉政策」)
「超党派グループ」への国民党・親民党の不参加
・制度的・構造的な背景：
憲法の規定と少数与党
「全民政府」≠「連立政権」
2. 新内閣の発足
・「第4原発」問題と唐飛・行政院長の辞任(10.03)
：cf. 林信義・経済部長、「第4原発」建設中止を進言(09.30)
・陳水扁総統の発言：第4回記者会見(09.16)、中小企業代表との会見(10.02)
・「財経内閣」の発足(10.4)
：民進党主導による政権運営へ
「福祉拡充」から「政局安定」と「経済発展」へ
新人事(張俊雄・行政院長、頼英照・副院長、邱義仁・秘書長)
・「財経小組拡大会議」の開催(10.14)：8項目の経済振興策
3. 今後の課題と展望
・「財経内閣」の当面の課題：
来年度予算の成立
株式市場の安定
「第4原発」問題
国民年金などの福祉問題
・「少数政府」と来年末の立法院選挙
