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3. 質疑応答

 

司会 ありがとうございました。(拍手)ご質問、ご意見、ご感想等がおありかと思います。発言なさる前にご所属等をお願いいたします。どうぞ。

 

A どうもありがとうございました。三菱総合研究所のAと申します。先生のお話をうかがっておりまして、内政といいますか、経済、政治そういったものが中心だったんですが、もう1つ台湾にとって中国との関係といったものが、そういったものが政権を揺るがしかねない大きなインパクトとしてあると思うんですが、そういった意味でつい最近中国が国防白書を発表しまして、かなり暗に陰に陽にも陳政権は叩かれて、それに対して政治的なリアクションというものは目立ったものがない。

実際にどうなのかよく知りませんが、政権をとって以来かなりいろいろな形で叩かれているのですが、あまりそういった面で目立ったリアクションというものはない。そういったところは台湾の政局のなかで、あるいは国民の関心としてどのように捉えられているのか、なかんずく軍部、国防部はこの中国の国防白書に対し、すぐさまリアクションを起こしております。政治の場には出さないと言っております。特にそういったことに対して国防、軍部が陳政権に対してどういう印象をもっているというか、また現在どういう関係になっているのかということに非常に興昧をもっているのですが、いかがでしょうか。

 

松本 十分お答えできるかどうかわからないのですが、まず新政府ができた段階で、かつて国防部長も務めた唐飛氏が首相になったわけであります。この人選については、多くの人が「うーん」とうなったのではないかと思います。私自身当時台湾におりましたが、「えっ」というのが本音でありました。

そして、この人事にはいくつかのアピールがあったと思うのです。1つは中国側へのアピール、それから台湾内部、特に国家内部の軍に対するアピールなのですが、これについては非常に効果的だったのではないかなと思われます。これは国防を研究なさっている方からうかがったお話なんですが、この唐飛という人物は、軍部のなかでは「我等が親分」というような感じの人だったらしく、親分がやっているんだったら支えていこうか、というような気運が軍にはあったと聞いております。また、そんな唐飛氏を首相に据えた陳水扁氏に対しても、なかなかやるなあというようなところがあったそうであります。

 

 

 

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