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ちなみに9月20日すぎに実施されたある世論調査によりますと、政党支持の点では、民進党は26%、国民党が13%、親民党が14%、そして新党が1.6%となっております。この数字は総統選挙後とほぼ変わらないという分析がなされております。10月に入ってからの調査結果がまだ出ておりませんので、ちょっとわからない部分があるのですが、これまでもあまり変化がなかったという意味では、政党支持は国内の政治経済の混乱による大きな影響を受けていないのではないかと考えられます。

そして、仮に現時点でこの数字だけで判断しますと、次の立法院選挙というのは、民進党、国民党、親民党というこの3つのいずれもが過半数をとれる状況にはないわけであります。そうなりますと、やはり連立政権が模索されることになるだろうと考えられます。ちなみにこの世論調査の結果から親民党の動きが鍵になるのではと分析されていましたが、どのようになるかはわかりません。

いずれにしましても、陳水扁政権はまだまだ多くの問題を抱えており、今後も混乱が続くことが予想されます。しかし、少々根拠のないことではありますが、彼自身のここ最近の言動、それから内閣改造でみせた軌道修正とそれから改造自体の動きの速さなどを考えますと、実は陳水扁総統にとって状況はそれほど深刻なものではないのかもしれない。もしかしたら何らかの手応えがあるんじゃないかなあという印象を受けております。先日台湾の友達に、「陳総統はどうなんだ、大変でしょう」と聞いてみたところ、彼の表情をみてもそんなに大変そうにはみえないといったような話を聞かしてくれました。これはあくまで個人の印象ですが、やはり何らかの手応えをもって進もうとしているのかなあという気がいたします。

時間になりましたので、とりあえずここで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

 

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