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早急な対応が迫られるわけですし、政権もそのことは重々承知だとは思うのですが、しかしながら、先ほど申し上げた国際的な要因というのは、世界的な逆風でありますから、台湾1国によって対応できるものでもない、それには限界があると思われるわけです。したがって、政局の安定についてもそのめどが立たないことも考えますと、株価の低迷も当分は現状が続くのではないかという気がいたします。

そして第3に、第4原発問題です。これについては張俊雄行政院長がタイムスケジュールはないと表明しておりますし、また先日の財経小組拡大会議の場でもこの問題については触れられておりません。その直後に行政院長も、まだこの公共政策に関する議論が十分ではないし、また国民の間にも第4原発の代替案に対してコンセンサスというものができていないということで、行政院としては決定を下す時期にはないと表明しておりました。ところが、実は昨日行政院で新院長の施政方針演説が行われたのですが、その場で野党議員の圧力もあって、行政院長は今年度末までには行政院の結論を出すという発言をしたという報道がありました。

経済部長によると、問題は電力不足が起こるか否かということなのですが、彼が言うには、現在台湾では予備の電力容量が12.6%を超えており、もし原発の代替案がないという前堤においても、2007年以前は電力不足は起こらないということであります。確かに、原発を建設すれば予備の電力量は増えるわけですから、より安定するわけですが、問題になっている電力不足の問題というのはそれほど深刻ではない、むしろ、問題ないと言っているわけであります。

これに対して各党は、民進党、それから今は非常に勢力が小さくなってしまったのですが新党という政党がありまして、この2つが建設を反対する主張を堅持している一方で、国民党は続行という立場を崩しておりませんし、また親民党も条件付きではありますが、やはり続行という立場をとっております。また政府内においては、今のところ建設続行を主張しているのは国防部長と、あとは専門的な見地から原子力エネルギー委員会がこの立場をとっているという状況であります。しかし、経済関連閣僚の間では、どうも建設停止という意見で見解が一致しているようであります。最近では、すでに建設停止という流れがあるのに、どうして行政院ははっきりとした見解を出さないんだという批判の声も聞こえてくるぐらいであります。

 

 

 

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