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司会 皆さま、本日はお忙しいなか、東京財団第31回アフタヌーン・セミナーにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日は、講師に神戸大学大学院の松本充豊さんをお迎えしまして「陳水扁新政権下の台湾政治―その現状と展望―」というテーマでお話しいただきたいと思います。松本さんは、台湾政治をご専門としていらっしゃいます新進気鋭の研究者でいらっしゃいます。今日はまず1時間ほど松本さんにお話をいただきまして、そのあと30分ほど質疑応答の時間をとらせていただきたいと思います。また、セミナー終了後に別室にてコーヒーのご用意をしておりますので、引続きご歓談いただければと思っております。それではよろしくお願いいたします。

 

2. 講師報告

 

松本 皆さん、こんにちは。ただいまご紹介にあずかりました、神戸大学大学院の松本と申します。本日は報告の機会を与えていただきまして、どうもありがとうございます。実はこのような形でお話しさせていただくのは今回が初めてでございまして、しかも参加者の皆さんの中には、台湾情勢に非常にお詳しい方が何人もいらっしゃるとうかがい、大変緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

私は、台湾現代政治を勉強しております。特に政権から降りました国民党が手掛けているビジネスを専門に研究しておりまして、実は、民進党あるいは新政権についてどこまで話せるか、というのが正直なところなのですが、本日は主に内政面に焦点を絞りましてお話しさせていただきたいと思います。まずは5月20日の政権発足後からこれまでの政局を簡単に振り返り、その上で先日行われた内閣改造についてお話しさせていただきます。そして最後に、今後の課題と展望ということで、私なりの所見を述べさせていただきたいと思います。

さて、本年3月に台湾では2回目の総統直接選挙が実施されました。そこで、民進党の陳水扁氏が当選されまして、劇的な政権交代が起こったわけであります。この政権交代は台湾の民主化という観点からみますと、それが最も高度な段階に達したといえるものであります。しかしながら、それと同時に台湾意識というものを強く示している民進党の、しかも「台湾の子」を標榜していた陳水扁氏が当選したということは、台湾の内外にそれなりのショックを与える出来事であったわけです。

 

 

 

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