それから3つ目は、統計の見方の話なんですが、確かに外準を過去に見ていたことがあったというのは、外準によって金融政策が予想できて、金融政策が予想できれば、金利の動きがわかって、金利の動きがわかれば儲けられるということだったと思うんです。だけど、それをやっているマーケットの周りの人たちは儲ければいいわけだけれど、それをやっている人たちは一体何なんだと。金融政策の目標とは結局何なのだろうというと、わからないですよね。
だから、何か周りで儲けている人は、そりゃあ儲ければいいんだけども、その中心にいる人たちの本当の目的は何だということが、空洞になっていると思うんです。そこもよくわからない。つまり、国益が何かというのもわからないし、各エージェントの、大蔵省の目的でも日銀の目的でも、何が目的なのかよくわからないですよね。だから、そういうことについての記事というのもほしいと思います。
それから、景気がよくなくてよいというのは、私はバブルが崩壊したときにそういう記事がいっぱいあって、それは非常に印象に残っていますが、それは要するに欲望と嫉妬の裏返しだと思うんですよ。つまり、非エスタブリッシュメントな人たちが、バブルのときに儲けたわけですよね。銀行はエスタブリッシュメントなわけだけど非エスタブリッシュメントに金を貸して大損をしただけなんですよね。結局、今になって思えばね。まあ光通信に入れ揚げたようなエスタブリッシュメントはあんまりいないと思うけど、まあそんなものですよね。
だからそれをおもしろくないと思っていたエスタブリッシュメントでそこそこ豊かな人は、当然そう思うと思うんですよね。あいつら落ちてざまあみろと。それでバブルが崩壊した初期にはエスタブリッシュメントが傷つくとは誰も思わなかったわけですよね。だけど、エスタブリッシュメントはガンガン傷ついてしまったから、景気がよくなくてもよいというようなのんきなことも言っていられなくなったじゃないかという気がします。
で、非常におもしろいお話を、特に結局誰が儲けているかなんだというのは、非常に有益な話でありがとうございました。
梶原 やっばりミクロとマクロというのは職業的な問題ですからね。要するにこちらの商売側からしますと、今の4つとも表現の問題がまずあるんですよね。