3. 質疑応答
司会 どうもありがとうございました。それでは、質疑応答のほうに移らせていただきたいと思います。たくさんご質問等あるかと思いますので、どうぞ積極的にお発言いただければと思います。どうぞ。
A 3点ぐらいお聞きしたいんですが、あとのほうにミクロの記者が損をするというような話をされていたんですけど、少なくも最近はそんなことはなくて、ただアナリストは引っ張りだこで、エコノミストは職がないと、いうと冗談ですけどね。
まあ、日本もマネー・センター・バンクが4つになってしまうから、1つの銀行でチーフ・エコノミストとエコノミストとアシスタントエコノミストで3人で、日本で12人しか必要ないんじゃないかと思うんですね。しかし、アナリストはいくらでも必要なんで、こんなことないんじゃないかと。つまり世の中は誰が儲けているかということに、やっぱり虚飾をはぎとって本質を見るというそういう時代になっていくんじゃないかと思うんですね。
それで、誰が儲けているのかということと、それからG7の話で日本の利益って話があったわけですが、企業の場合にはどうやって儲けているかはわからなくても、儲けているか儲けていないかはわかるわけですね。もちろんわからない場合もあって、光通信のようにみんな儲けていると思っていたら儲かっていなかったというのもありますが。ただ、じゃあG7の中で利益というのは一体何なんだというところで、結局誰もわかってないんじゃないかと思うんです。例えば円高だから損をしたのか、円安だったら損をしたのか、何かある時は円高で大変だといい、ある時は円安で大変だというんで大騒ぎをして、結局どっちが得をしたのか、何が利益なのか誰もわかっていないんじゃないかと思います。
例えば、円安にしてくれなかったら損したとか言うんですが、円安にはできるんですよね。つまりお札を刷れば円安になるわけですよね。だけど円高にはできないわけです。できないというのは、引き締めればもちろんできるかもしれないけど、引き締めると大変なことになってしまいますから。でも、円安のほうはできるわけですね。
だから、アジア通貨危機でも、自国通貨をとどめることはできないわけですね。で、自国通貨が下がっているのをとどめることはできないけれど、上げるのをとどめることはできるわけです。だから、本当に何が得なのか損なのか、その国の利益とは一体何なのかということについて、もうちょっと骨太の議論をジャーナリズム、あるいはこういう場所でしていただいたほうがいいんじゃないかというように思うんです。