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そこで、具体的な案として、豆満江の開発計画に関する現状と展望について解説をお願いしたいと思います。それと同じようなSphereで、ノーランドさんは、プライベートインベストメントのお話をなさいましたし、それから、Gさんも自由経済特区のお話をなさいました。羅津先峰などの経済特区のアイデアというのは、どういうふうな現状になっているでしょうか。あるいは、これからどうしたらいいとお考えでしょうか。解説をお願いいたします。

 

ノーランド 非常に率直に申し上げます。北朝鮮は米国議会では決して人気はありません。クリントン政権として、例えば、経済の基になる米国のコミットメントの資金を確保するのは難しいわけです。重油を毎年北朝鮮に提供するための資金ですら、なかなか確保するのは難しい。次期政権が北朝鮮に対してもっと後ろ向きになる可能性は、50%は少なくともあると思います。ですから、決して米国から多くの資金を確保するということについては、今申し上げた政治的な理由からいって、過大な期待をもつべきではないと思います。

第2点。私は今日本にいるわけですから、こう申し上げるべきだと思いますが、私の印象としては、韓国の人々の見解は、吉先生のほうからもお話ができると思いますが、日本のプロセスの役割については、どうも二律背反的な気持ちがある。北の経済の再建のためのコストには非常に懸念がある。どうしても資金が必要だ。世銀を黄金の蛇口のように思って、それをひねればドルがどんどん流れ出るものと考えている。

もちろん、その他に大きな資金源としては、その他に日本が支払う植民地支配の賠償がある。しかし、韓国、恐らく北朝鮮もそうでしょうが、ときとして、経済的植民地化につながりかねない日本による朝鮮半島の経済的植民地支配化の懸念がある。だから、一方で日本の資金が欲しいけれども、もう一方では、それをあまり欲しくない。この国際協力の可能性は、世銀あるいはADB(アジア開発銀行)といったところで、朝鮮半島平和維持のための特別の窓口を設定する。例えば、パレスチナに関しては、そういったものがすでに存在します。そのメカニズムを通して世銀の融資が流れるわけです。そういった特別なプログラムを、北朝鮮に対しても考えることもできるでしょう。そして、そのファシリティに対して日本が拠出する。他の国も拠出する。そういった形の国際協力は考え得ると思います。

それから、経済特別区という話がありました。これは完全な失敗です。地理的に完全に孤立しています。

 

 

 

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