私がそれを申し上げますのは、拉致事件ということについておっしゃいました。どう解決していいかわからない問題が2つあります。1つは拉致事件。もう1つは、北朝鮮の核の歴史です。ある意味では、私にとっては、形式的には次のような意味で、非常に似た問題だと思います。軽水炉における重要な部品か取り付けられる前、合意枠組みにおいては、IAEAはその査察、北朝鮮の設備の査察を終えなければなりません。そして、そこで、北朝鮮の核についての調査書というものを書かなければなりません。査察をやらなければなりません。北朝鮮が燃料棒を取り出し、それを再処理して、プルトニウムを抽出するという行為をとったかどうかということに関しては、北朝鮮は多少のプルトニウムは持っているということはわかっています。ただ、たくさんあるかどうかはわかっていません。
IAEAか査察に入る場合、いろいろ可能な帰結が考えられます。1つは、IAEAが査察にきますと、北朝鮮は彼らに対して、われわれはうそを言った。燃料棒を取り出して、プルトニウムを抽出して、本当はこれだけあるというかもしれません。しかし、それは、現実としてはほとんどないでしょう。より大きな可能性としは、IAEAが核の今までの経緯をつくろうとする。そして、最終的に何ら結論を出すことができない。そこで、レポートを出すということになりますと、長々と北朝鮮はこういったことをやらなかったという確率がXパーセントあるということを、羅列するかもしれません。そうすると、北朝鮮、米国、日本間において、アクセスが十分なのかどうかという問題になってきます。米国は日本よりも、あるいは、韓国よりも、この問題に厳しくなるでしょう。
同時に、拉致事件も私にとって非常に難しい問題だと思います。北朝鮮はどうするんだろう。「はい、拉致しました」と言うんでしょうか。あるいは、自然な理由から死んでしまった。あるいは、殺してしまった。あるいは、拘置して、ここにいます、といったようなことをおのずから言ってくる可能性はないと思います。ですから、どう解決するんだろうと思うわけです。何らかの捜査の手続きが必要なのかもしれません。日本政府が北朝鮮にきて、こういった人質になった人々たちの捜査をする権利を与えられるという可能性はあるかもしれません。しかし、解決は本当に難しい問題で、どうできるのかわかりません。