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日本と北朝鮮との関係ですが、北朝鮮が直面している1つの問題は、1970年代に不履行に陥った銀行借り入れがいっぱいあって、それがために、国際資本市場では、この債務不履行がある限りは、借り入れがもうできないわけです。日本政府としてできること、直接予算上日本政府にとって響かない、相対的に余波が少ないもの、大蔵省は日本政府には影響がでないようにいろいろ操作ができると思いますが、基本的にはその保証を提供する。ですから、プレディボンドみたいなものを発行できるようにする。それによって、不履行債務をカバーする。そして、北朝鮮が再び国際資本市場で借り手になり得るようにする。自ら借り入れができるようにするということはあると思います。ですから、債務保証を与えるということは、直接日本の予算には影響は出てこないだろうと思います。会計のやり方いかんだとは思いますが。いろいろな手段のミックスがあると思います、そして、それが相当長期間にわたって行われていくことになるだろうと思います。韓国との合意に引き当てて見れば。

そうは言っても、年に1,500億、2,500億ドルを国際金融機関から借りる。それから、数十億ドルの日本との間の妥結を得るということは、ささいなものでありませんが、まだ大きなギャップが残る。韓国政府はもちろんそのギャップはある程度埋め合わせるとするでしょうが、韓国政府の財政にしても、良好な状態ではないし、相変わらず悪化の道をたどっているわけです。恐らく、韓国の金融制度に対し、その状況に対応するために、第2次の公共資金の注入が必要になるでしょう。ですから、北朝鮮が結局投資家にとって魅力のある政策をとっていく。外資を誘致するための政策をとるということが必要になってくると思います。周辺の諸国あるいは国際社会は、ある程度北朝鮮に資金を提供する意欲は示してきているわけですが、つまるところ、北朝鮮にとっての一番重要な問題は、どこまで自ら民間資金を誘致できるかということです。今日、民間資金を誘致する能力は現在の政策に照らしてみれば、全く定かではないと思います。

 

G 通産省のGと申します。オリジナリーは大蔵省の官僚で、人事交換でテンポラリーにコンバートされていますが、明るい職場なので、戻るのはやめようかなと思っております。

それで、1つだけコメントをしたいと思いますが、日本の経済協力に対して、200億ドルは非常にいい数字だと、私は思います。

 

 

 

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