将来、国際社会が国連を通じて、あるいは、何らかの多国間のコンソーシアムを通じて、難民定住のプログラムをつくらなければならなくなる時代がくるかもしれません。その点では、日本は非常に重要な役割を果たさなければならなくなるでしょう。東南アジアあるいは南ベトナムのボートナピープルを例にしたいと思います。恒久的な難民が出てきて、キャンプをインドネシアや香港につくりました。難民たちはこのキャンプに住み、国連から資金の提供を受け、彼らがいろいろな国々に定住をしていきました。
同様の難民問題が北朝鮮で生じれば、日本は非常に重要な役割を、資金供給という意味からも、国連あるいはその他の国際的な支援を通じても、しなければなりません。同時に、韓国、米国、中国、オーストラリアなどのいろいろな国と一緒に、難民の受け入れをしなければならなくなるでありましょう。これは、日本で政治的な問題になるでありましょう。しかし、日本は大国です。非常に大きな力を持つ国です。そして、日本の隣で起こることです。ということは、強力な国、偉大な国にとっては、責任としてやらなければならないわけです。私はこれは日本を攻撃する意味で言っているのではなく、率直にディスカッションをするという意味で言っているわけです。これは、将来可能な1つのシナリオとして考えなければならないと思う点です。
F 北朝鮮の改革のための資金の規模ですが、金大中大統領は、基本的に南北の連合という話をしていらっしゃいます。その間の資金支援の規模はどれぐらいと見込まれるのか。それから、第2に、今後の日本、韓国の経済パフォーマンスを考え、それから、それぞれ政治的なポジションあるいは政策を考えた場合、どういった財政負担の分担が考えられるのでしょうか。北朝鮮の経済改革支援に当たっての分担です。
それから、3番目に、先ほどのお話にもありましたが、もし日本が北朝鮮と国交を正常化した場合には、日本は北に対する財政支援を提供することになりますが、少なくとも現時点、ここ2、3年の間は、それは大変難しいのではないかと思われます。そうすると、何かほかに資金を提供する方法は考えられるのでしょうか。日本政府が直接北に対する資金を提供するということではなくて、何らかの国際機関を通じて、あるいは、その他の組織を通じて提供するということが考えられるのか。
それから、最後の点は、これは、実際に南北が統一された場合どうするのかということです。
ノーランド まず、統一のコストを人々が語る場合、あるいは、北の経済を再建するためにはどれぐらいかかるのかという話をする場合、いろいろなシナリオがある中で1つの主要な違いがあります。