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アジアでは、時として次のようなことを耳にします。中央計画経済を改革するには、2つの方法がある。1つは、失敗したヨーロッパ型のビックバン型の対応、そして、第2に成功したアジアの前進主義と言います。

北朝鮮は、アジアの国家だ。だから、北朝鮮は、成功してきたアジアの前進主義をとって改革を進め、10%の年率成長の道をたどるであろうというわけです。こういった考え方は誤っていると思います。説明したいと思いますが、アジアでは、2つの主要な、相対的に中央計画経済を改革した成功例があります。中国とベトナムです。中国とベトナムの場合、非常に大きな労働力が農業部門に存在したがために、改革ができたわけです。例えば、私の本の第3章に表がありまして、改革を始めた当時の労働力の構成を示しています。中国、ベトナムの場合には、改革を始めた当初は労働力の7割以上が農業部門でした。そして、農業を自由化する。急速なサプライレスポンスを生む。それによって、非常に生産性の低い、農業人口を農業部門から新興のまだ存在していなかった製造部門に移行をさせたということです。北朝鮮の場合には、状況は相当違います。正確なところはわかりませんけれども、われわれが把握できる限り、北朝鮮の場合、農業人口というのはせいぜい30%、35%で、中国、ベトナムが改革を始めた当初の農業人口の比率の半分くらいになります。

経済的にいって、北朝鮮は、むしろ旧ソ連の一員、あるいは東欧の一員と言えるわけで、中国、ベトナムとはだいぶん姿が違います。ですから、非常に出発点の姿が違うということから、北朝鮮の改革プロセスは、中国、べトナムとは違う姿にならざるをえません。国有企業の改革が、北朝鮮の場合には、最初から必要となってくる。中国、ベトナムとは、段階が違うと言えます。

第2に北朝鮮が直面する障害は政治的なものとなります。ここでも、中国、ベトナムの例を考えてみたいと思いますが、まずベトナムです。北ベトナム、それからその同盟者であるベトコンが内戦に勝った。そして、80年代末、ドイモイの政策をとった。そして、ハノイの指導者たちは、ドイモイ、そして、経済改革はホーチミンが考えていたことなのだということをいかに正当化するかを考えました。

中国の場合には、中国と台湾があります。しかし、最近まで、だれも台北の政権がイデオロギー的に、北京の政権に対して脅威になったと言った人はいなかったでしょう。70年代、讃?燭?羚餬从僂硫?廚鮖呂瓩拭?修療??蓮△海譴?榲?法▲泪襯?后△△襪い鰐啾?貅臉覆?佑┐討い燭海箸覆里世箸いΔ海箸髻?貔厳?謳D好蹇璽?鵑箸靴鴇Г┐燭錣韻任后」

 

 

 

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