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もし得られるとしたら、それは何でしょうか。例えば幾つかのサンプルによって、何が変わったのでしょうか。もし、外交面に何も影響を及ぼさないのであれば、あえて地方自治体の外交と言わなくても、交流のままでよいと思うのですが、いかがお考えでしょうか。それは1点です。

それで、外交カードという話もお使いになっていますが、これも新聞に寄せられた記事を読みますと、日本のイメージがよくなるというところに触れられておりますが、例えば、中国の例を見ますと、もちろん日本が過去にいろいろなことをやった、その結果としてイメージが悪くなっているというのは現状ではありますが、例えば、中国の知的人、または党の幹部の人たちと話してみますと、必ず日本の再軍備、軍国主義の脅威という言葉が出てくるわけです。ところが、基本的には、それは多くの場合、『人民日報』を通じて、いろいろな意図があって流されている情報が唯一の情報となっているために、中国の国民が間違っていることが多々あるわけです。

ですから、イメージを変えるというのは、何も中国の各地方都市に乗り込んでいって、活動をすることをしなくても、別のルートがあるわけでして、イメージを悪くしているのは、もちろん過去の日本ではありますけれども、そして最近の国会議員も時々失言をするわけですけれども、日本側から発信のイメージの悪さではなくて、中国の、例えば国家利益のために日本人のイメージの悪さを中国人の間で振りまいているところもあるわけです。だから、地方自治体が対外交流をすることによってイメージが変わるというふうには言えないわけですから、外交カードというふうにもならないわけです。

また戻るんですけれども、どうしてこれをあえて外交というレベルで論じなければならないんでしょうか。

 

吉田 わかりました。

1点目と2点目、両方とも非常に難しい質問です。特に1点目は、外務省の方がよくする質問だと思います。それは国際交流であって外交ではない、もしくは外交のレベルには達してないということです。ただ、レベルに達しているか否か、それを外交政策として使うノウハウが日本にあったのか否かとは、若干違うと思います。例えば、姉妹都市交流にしても、EUでは周辺地域との統合のために姉妹都市交流を使った。それを国家の外交政策として位置付けたが、日本はそもそもそんな視点すらなかった。でも、外交政策として認識することにより、反日宣伝対策とか何かの外交カードに使っていけると私は思います。

 

 

 

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