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E お話が、ずっとビジネスモデルの流れについてなので。個人としてどういう変化をするのかとか、新しいコミュニティが出てきたときに、その中で、新しいモデルが出てくるだろうと予想されるので。そういうところのお話がうかがえるかと思って来たのですが。

 

緒方 まだまだそこまでいっていません。ただ、今までと違うのは、コミュニティが表に出てこない可能性もあるし、意識されないコミュニティが存在する可能性もあります。そこに、どうやって企業側からビジネスを仕掛けるか、また、コミュニティをどうやって感知するのか、そこのニーズをどうやってとらえていくのか、今まで以上に難しいのではないかと思います。男性、女性、年齢などの世界でくくれれば楽なんですが。

 

司会 そろそろ、お時間ですが、最後に何かご質問等ありましたら、お一方だけ。

 

F 今までのお話にありました、仕掛けという部分で、インフラがないところではどうしようもない。お話になった幾つかのビジネスモデルも、スモールビジネスから始まったということで。いろいろな、ITのインフラが日本は遅れていると言われています。が、よく眺めてみると、例えば、水道局と、電力会社と、JRと、ガス会社がくっつけば、アメリカ以上の光ファイバーのネットワークを持っている。そこに気づいていながらだれも何もできない。そういう場合に、緒方さんならどう仕掛けるか。これは、モデルで説得できるものかどうかはわかりませんが、どういう仕掛けが必要なのか。

 

緒方 私も、正直に言いまして、会社を興して頭にきているのが、小さい会社でインフラに関連する何かをやろうとすると、お金がかかって、結局やめてしまう。中小企業育成と口では言っていながら、通信のインフラなどは中小企業にはきついビジネス環境にあります。インターネットの専用線接続サービスなども月に3万円以上かかり、つくったばかりの会社では払えないこともあります。そういうことに対して、プロバイダーはほとんど何も考えていないと思います。中小企業育成を官庁で一生懸命やって、プロバイダーが最初の数ヶ月は安く提供する。あとは、ビジネスのボリュームに応じて、専用線のサービスを提供するとか、そういうビジネスモデルがあってもいいはずだと思います。

しかし、そのようなことは全く考えられていない。それでいて、中小企業に売るためには、どういうお客さんに、どんなアピールをしたらいいかという発想でいる。専用線接続サービスも、定額でいくらですとアピールするしかないわけです。提供している側にまだまだ工夫の余地はあるのではないか。

 

 

 

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