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NikkeiもNikkei BPも、当初はあくまでもニュース等の提供だったのですが、次第に中身が強化されてきて、経済的な分野での総合ポータルに変わってきています。

それから、もう一つの変化の方向は、アプリケーション(AP)統合型ポータルサイトです。ポータルサイトは、情報を検索するのが主眼であるという意味で、あまり企業の中の基幹業務とはくっついていませんでした。例えば、SAPというERPパッケージがありますが、これは企業の基幹業務アプリケーションを提供してきました。これに対し「mySAP.com」は、今まで別のものだったインターネットと業務系のアプリケーションを一緒にしようとしています。例えば、イントラネットでWebブラウザを開けるとSAPの業務アプリケーションも入っていて、ブラウザからSAPを利用するというのがAP総合型ポータルサイトです。

これがさらに進んで、最近はアプリケーションサービスプロバイダー(ASP)というのが出てきました。これは何かというと、アプリケーションはプロバイダー側(センター)にあり、ブラウザからサービスとして利用するものです。アプリケーションを、計算センター的な形で提供するというものです。例えば、ERPのSAPをあるプロバイダーが自分のセンターにおきます。ブラウザからそのアプリケーションを起動することでSAPのシステムが稼働するというものです。このようなASPが登場する理由にはいろいろありますが、一つはインターネットが普及してきたために、インターネットの環境を利用して何でもやろうという動機がある。また、SAPを今まで使っているユーザーでは、相当な金額を払って、しかも1年、2年も開発期間をかけてもなかなか稼動しないケースが結構多いという理由もあります。つまり、ASPを利用すれば開発期間が短縮され、コストも安くなる。SAP側からすると、今ではほとんどの大企業にSAPが導入されてきたが、中小企業に導入しようとするとコストが高い。だったら、アプリケーションをサーバーに置き、ユーザーはそれをリモートからアクセスして使うだけにしたらどうか、という発想があります。98年ぐらいからASPのプロバイダーが出てきて、今は百何十社と参入しています。ただ、アプリケーションとしては、ERPでもいいですし、自社製のソフトウェア等何でもいいということで、従来のタイムシェアリングのシステムとあまり変わらなくなり、何が何だかわからなくなってきています。

夢は大きく、将来は何兆円ビジネスになると言われており、日本でもASPのコンソーシアムのようなものができていますが、まだ、どのようなビジネスモデルになるのかという検討まではされておりません。

 

 

 

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