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それで国会でも、やっぱり行政の公益性というのはまずいという話で、これは別に野党じゃなくて、自民党の先生方が、今までは過激だったからまずいんだという話を国会でもされたぐらいですから。そこは、もう理解してもらうような仕掛けを、もう一回考えるしかないとは思うんですけれど。

しかし、いわゆる立法趣旨というものの、どうわかりやすくするかはちよっと別としても、立法趣旨の構造自体、つまりどういう趣旨に基づいているかというのは、きちんと筋は立てておく必要があるかなと思います。わかりやすくするというのは次の話なんですが、公益性を広げればいいんだという話があるんですけど、公益という言葉の使い方が、今までそうでなかったもので、そういう意味では、やっぱり新しい概念を何か打ち出していく必要があるんだろうとは思うんですね。

 

A そのときの議論として、もう一つ、多分、裏表の関係にあるんだと思うんですけど、非常に単純な言い方をすれば、資源の再配分というのは、大蔵省が行うものだというような常識が日本人の中にあったと思うんですね。大蔵省もそういうふうに考えていたと思うんですけれども、違った資源の配分の仕方があるのだというような、そういうアプローチでこの議論を進めることはできないんでしょうか。

 

松原 ちょっと違うような気がする。つまり資源の配分というのは…、それは人によって違うのかもしれません。NPOの議論を資源の分配の議論としてとらえるのか…。見る視点の問題で、人によってニュアンスが違うんだと思うんですね。僕なんかは、どっちかというと資源の創造という面からとらえるので、配分ではないだろうという気がするんですね。

確かに、あるものをどう配分するかという議論ですが、新しい価値観とか新しいサービスをどう生み出していくかという基盤づくりですから、それは、ある税は大蔵省が分配するという気がありますけど、新しいものをつくるためのインセンティブをどうつくっていくか。新しい社会のための新しいサービスは、どうやったら創造できるかという課題かなというふうにとらえているんですね。その辺が、ちょっと違うかなと思います。今のEさんのやつは、もうちょっと考えさせてください。

 

司会 そろそろお時間になりましたので、セミナーを終了させていただきます。

当財団では、このようなセミナーを月1回程度の割合で開催しております。またご案内をさせていただきますので、次回もぜひご参加いただければと思います。

本日は、お忙しい中、どうもありがとうございました。

 

[文責事務局]

 

 

 

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