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なぜなりにくいかというと、団体の組織は既にある程度固まっていて、団体の組織変更に時間がかかるんですね。だから、去年の12月にやられて、今、やっと、例えば大きな団体だったらサプラニールとかがありますよね。サプラニールというのは国際規模の団体です。1972年にできた国際規模の一番古手の団体ですが、これがNPO法人になろうとするには、まずNPO法人委員会を立ち上げて半年ぐらい研究して、総会に一回かけて検討して、それからプロジェクト・チームを立ち上げて、次の総会でゴーして定款変更して、それから法人取得の手続をする。1年から2年かかってしまうんですね。

そういう形で言うと、古い団体のほうが手間がかかっている。だから、今、新しい団体のほうが、むしろ組織をすぐフィットできやすいという状況があるんです。アンケートも、そこは裏づけていると思いますが。

それと、要は、現状ではNPO団体の規模がそんなに大きくないんですよ。経済企画庁がやった8,000というのは希望的過ぎて、実際に数千万ぐらいの事業規模を持っている団体というのは全体の10%ぐらいで、そこから法人化が必要になってくるというのは、さらにもう少し落ちると思いますから、多分、経済企画庁でも、実際には2、3千団体だったんだろうというふうに思っています。2、3千団体という意味では、今言った手続を踏めば、多分、来年ぐらいにはその数がクリアできるだろう。ただ現状で言えば、それ以上に新規参入が多い。ですから、3、4年かければ5、6千にはなるんだろうというふうには見ているんです。

一つ間違えたのは、法人制度ができたら、みんないきなり宝くじみたいに並ぶんだろうという話は大間違いで、団体なんで、その団体内部で意思一致してやっていくという、団体としてのプロセスを無視していたというところもかなりあると思います。法人としてやってできる事業はまだまだ少ないこと、だからメリットがまだ少ないことですね。それから、次に団体になる意思一致が非常に難しいというか、手続がかかる。これは、古い団体がなかなか出てこれない理由の一つ。そのかわり、新しい団体が出ていくというのが今の現状ですね。ただ、そういうのもだんだん出てきますから、数年たてば、そういう数字になっていくだろうと。ちょっと時間が要るということになると思います。

 

C 住民税減税をやっている都道府県の数というのは増えていったんじゃないかと思うんですけれども。

 

 

 

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