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そういうことから言うと、議論がない段階では、企業にという議論はあるんですが、かなりそういう情報の交換をした後というのは、割と個人にまとまりやすいというのが今までの経験です。今までに何回か議論はしたんですが。確かに企業という希望は強いし、ばっとアンケートをとれば、特に、こういう経験のない団体にアンケートをとった場合には、そういうニーズがたくさん出てくると思うんですけど、果してそれがいいものかどうかはちょっと疑問のところです。

 

C 非常にわかりやすいお話、ありがとうございました。

この法律ができたときに、たしか「朝日新聞」が書いたと思うんですけど、8万6,000の中で5,000社ぐらいが申請するのではなかろうかという見積もりだったと思うんですけれども、実際、ふたをあけてみると、今のところ1,100ですね。どうしてこんなに少ないのかなということを考えるのですが、シーズ自身も、まだNPO法を申請しておられないということで、ここのパンフレットでデメリットというところを見ると幾つか書いてありますけれども、しかし、これがデメリットとも思いにくいんですね。例えば住民税について、たしか岩手県ですとか多くの県が、これを免税するということをしているはずですし、それから会計院報告によるというのは、これはある意味では、透明性を保っていく上では当たり前だと思うんですけど、そういったものがネックとなって、8万6,000のうち1,100にとどまっているというのが実態なんですが。

 

松原 まず第一に、8万6,000のうち、経済企画庁は5,000から8,000と言ったんですね。1割が取ると言ったんですが、それは、当初から私は疑問だと思っていました。法人格の必要な団体というのは、法人格を使う団体。法人格というのは何かというと、やはりそれなりに新しい契約を行ったり、事業を行ったり、知らない人とつき合っていく。個人商店が株式会社に脱皮して、事業展開を広げていこうという団体だと思うんですね。そういう団体からすると、日本のNPOにとっては一つは事業規制の問題があって、どういう事業ができるかよくわからない。今までもそうです。だから、その事業のビジョンが見えない、見えている団体が割と少ない中で、そういう法人格を使うチャンスというのはなかなかないわけですね。

それから古い団体にとっては、割と古くて安定している団体という、今回、いろいろな団体にもヒアリングしたんですが、古い団体のほうがNPO法人になりにくい傾向があります。

 

 

 

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