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一番最初が広義の理解。これを私は「広義のNPO」と呼んでいますが、つまり非営利、公益に関する団体全部に対するNPO。もちろん、もっとご存じの方は、NPOはノンプロフィットなんだから共益も入るじゃないか、協同組合も入るじゃないかという議論もあります。確かに、そこまで広げるというのは正しい理解ではあるんですが、あまり使い方としてはされていない。

それから、このNPOの議論が始まって以来、ずっと中心的になっているのは狭義の理解で、ボランティア団体、市民活動団体といわれる団体を指している。これが、要は経済企画庁の調査で、事あるごとに、日本のNPO団体は8万6,000と出てくる。その8万6,000の数字の母体ですね。1997年に、経済企画庁が調査した数字というのがあって、それが8万6,000団体。もしくは8万7,000団体。正確には、8万6,500何だと切り上げ、切り捨てで変わるんですが。

最近はさらに狭義の理解で、こういうのが出てくるとは思わなかったんですが、NPO法人、つまり特定非営利活動法人だけを指すという人も出てきております。これは新聞記者に多い。新聞記者からシーズに電話がかかってくると、「シーズさんはところでNPOなんですか」と聞かれて、「ええ、NPOですよ」と言ったら、「じゃあ、もう法人になられたんですか」、「いや、まだなっていません」、「じゃあ、まだNPOになってないんですか」と。(笑)「う〜ん、どうしたらいいんだろう」という、非常に困った状況が、最近あります。実際、新聞記事を見ると、日本のNPOは、1,000団体ぐらいが申請しているという記事も、最近、お目にかかるようになったんで、ますます混乱に拍車がかかっている。

米国でのNPOというと、この2番と3番がないんですね。狭い意味でさえもこの1番で、もっと広い意味で言うと、さっき言った公益団体も含める意味です。つまり二つの意味があって、米国で言うNPOでいうと、広義で言うと連邦税法の501Cといって、これはご存じの方はご存じですが非課税団体ですね。いわゆるタックスオーガニゼーションを列挙した団体を全体でNPOと言う場合、これが約113万団体。狭義の意味で、その中で寄付控除がある団体。これが、約65万団体あります。

本当を言えば、これと501Cの1番との間に、また独自にNPOと定義して統計をとっているグループというのがある。レスター・サラモンのグループは2]に近いんですけど、それでもちょっと違う団体も入れて宗教団体を省いているということなので、実際的には、この2]とも合わないんですね。財団のグループなんかは独自の定義をしています。

 

 

 

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