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三つ目が行革タイプと呼んでいます。行革タイプというのは、行政重視の仕事を見直す中でNPOの参入機会をつくっていこうということです。箕面市も、今、少し行革タイプに入りつつあると思います。近年では、今年から千葉の我孫子市が、補助金の全面見直しというのをやりました。市の出している補助金、特にNPOに関して出している補助金というのは、今まで、ずっとある特定の業者に出されてきたわけです。これを一旦全部やめる。やめた上で公募方式にして、公募委員会をつくって、これにコンペで行うことを今年度からスタートしました。これは、旧来のことを全部切ると同時に、補助金の有効活用をしていこうという大きな方針だと思います。大体、年間2億円から3億円の補助金がそういうNPOに流れてきたそうですが、これを全面見直ししたということで、かなり行革重視タイプというのもあらわれてきていると見ています。

いずれにしても、NPOと自治体の関係というのは、NPO自身の経済的な問題と同時に、自治体自身の業務、これをどういうふうにリストラクチャリングしていくのかということと大きく結びついている。その視点がどれだけ打ち出していけるかが、今後、NPOと自治体の関係づくりに大きな意味を持つだろうと思います。

そういう意味では、私は行革タイプを一番重視していて、その次に協働重視タイプ。支援重視タイプというのは、あってもいいんだけれど本質的ではないなと見ています。

それから、次にNPO概念の混乱です。取り巻く状況で、特に最近気になるのが、NPOの概念が非常に混乱して、それが政策に大きな影響を招いているということです。「日本のNPOの現状について」8を見てください。最近、非常に危惧することの一つに、皆さん、NPO、NPOと言って議論しているんですが、言ってることは全然違うと。これは、NPOのことに詳しい人はおわかりのとおりなんですけれど、そのために大きな混乱が至る所で生まれているというのを目の当たりにする。これはこのままじゃいけないという気がしてならないんですね。

ここにNPOに詳しい人もおられるので釈迦に説法みたいになって申しわけないんですが、ちょっとまとめてみますと、このNPOという言葉をアメリカとよく比較するために間違いがよく起こるんですね。日米でNPOというときには大きな認識の違いがあります。日本において、最近、使い方として見ていると、NPOに関しては、主に次の3通りの意味で使われる。

 

8 巻末資料7参照。

 

 

 

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