日本財団 図書館


これは、社会福祉協議会のボランティアセンターです。後でお話ししますが、今後、社会福祉協議会、社会福祉法人の生き残り策というのが、かなり問題になってきます。その際に、NPO支援センター的なものを併設していけば、一つ事業として生き残れるのではないかということで、ボランティアセンターがNPOセンターづくりに出てくるという例も増えています。それから、地域のそういうNPOの連合会なども出てきている。中央組織というのも誕生していて、さっきから言っている日本NPOセンターというのができましたし、NPOサポートセンター、NPO事業サポートセンターなど、よく似た名前が次々にという現状があります。

ただ、実際にこういうセンターが機能しているかということに関して言いますと、アンケートでも、こういうセンターに相談に行ったというのは、全体の中でパーセンテージ的には多くないんですね。支援センターに困ったときに相談に行ったというのは、全体の中で20%ぐらいですね。ほとんどが自治体、都道府県に相談に行っています。これはシーズのアンケート(巻末資料4)の3ページにありますが、後で見ておいてください。しかも、「相談に行ってどうでしたか」という質問に関しては、相談に行ったけど、快く回答する態度自体がなかったとか、評論はされたけど具体的なアドバイスはなかったとか、そういうのが結構ありまして、支援センター自体の力不足というのは結構問題になっています。

ただし、こういうような支援センターは今後増えてくると思うんですね。だから、支援センターの専門家とか、すみ分けというのも大切になってくるだろうというふうに考えます。

それから、自治体のNPOもしくはボランティア支援条例制定の動きも加速しています。岩手県、宮城県、高知県、青森県、兵庫県、箕面市、板橋区などでは、NPO支援ですとかボランティア支援という条例をつくっています。

この条例は、大きく分けて二つのタイプがあります。一つは支援重視タイプと呼ばれているもので、これは、NPOというのは非常に弱くて、いいことをやっているんだけど弱い、小さな組織であるという認識に基づいて、これを何とかサポートしてあげましょうということで、補助金を出してあげましょうですとか、支援センターをつくりましょうですとか、人材を派遣してあげましょう、研修をやってあげましょうという至れり尽くせりの支援メニューを並べるタイプ。これを支援重視タイプというふうに呼んでいます。これは、松原個人で勝手に呼んでいるんですが。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION