実は、そういうことがあるから私は、自分の国の、狭い意味でのディフェンスということに関しても、日本は軍事大国にはならないけれど、もう少し自立ということを考えざるを得なくなっていくのではないかという予感めいたものはあります。
これについては、北朝鮮問題は何しろいつ終わるかわからない話で、そういう問題が深刻化する前にある程度いい方向にいってしまえば、案外、そういうことは考えずに済むかもしれない。これがぐじゃぐじゃっと延びていくと、もしかすると、そういう話にもなっていく可能性はあるなという気はしています。
それから、2番目の質問は忘れてしまいましたけれども、非軍事でなおかつ大国ということがもし可能だとするとそのときには、さっきちらっと出しましたコ・オプティブ・パワーというようなものを何とかして高めていく工夫が多分、重要になっていくだろうということを申し上げて、あまり答えになっておりませんが、こっちはご勘弁願いたいと思います。
H 非常に貴重なお話、ありがとうございました。常々、感じるんですけども、日本の外交というか、私は石川県の出身なので、どのチャンネルでも必ず北京放送が何度も出てくる。そういうところで、嫌悪感を感じて育ったんです。別に自民党が好きとかいうんじゃないんです。とてもいやなものです。異様なものを感じて育ちました。それから、行方不明者が出ているという現実があります、北陸においては。
そういったものが日常の中にもあるにもかかわらず、日本で取り上げなかったという経緯を持っていて、先だってアメリカ大使館のご紹介によりまして、ボストン大学のロベルト・ロス教授とお話ししましたときに、「あなたのおかげで私たちは安全を得ました。ただ、去勢されてしまって、自立を、今、戸惑っております。21世紀は、何とか自立したいものです」とジョークを言いましたら、与えられたものは失うのは当然のことでしょう。これが世界のルールだとおっしゃいました。
そういうことを考えるべき立場の方は考えてらっしやるし、外交に対しても、説明の必要性があるというお話は今、伺いました。一番大事な説明の必要性は、国民側にもあるのではないかと思います。国民が理解していないと、例えば、今、おっしゃったような専守防衛をした場合でも、国民が自分たちの命を守ってくれるためにやったことに対して、どういうアレルギーを起こして、そこに、そら見たことかという海外からの突き上げの材料になっていては、意味がないと思います。