日本財団 図書館


提言18 開発協力に携わる人材の育成・確保・活用、開発協力研究機関の拡充

効果的効率的なODAを実施するためには、開発途上国に関する総合調査研究の実施及びそれに基づくきめの細かい援助計画の策定・実施が不可欠である。そのためには国別、地域別の専門家をはじめ開発協力に携わる人材の育成が重要である。我が国では、近年国際開発研究科を設置する大学院が増加するなど、人材育成のための体制は整備されつつあるが、今後とも一層の整備充実が必要である。そこで、各大学院国際開発研究科の連携協力、単位互換制度、開発援助共同講座の拡充等を行うとともに、開発途上国への大学院学生の派遣に対する支援を強化することにより人材育成の充実を図るべきである。また、大学院等で国際開発に関する専門教育・研究を行う専門家の養成に一層努めるべきである。さらに、政府・援助実施機関で援助の実務に携わる者を一定期間学生として受け入れ、開発援助に関する専門教育を行う制度を拡充すべきである。

また、青年海外協力隊帰国隊員の就職機会の確保により一層努めるとともに、政府・援助実施機関が援助を実施する際に帰国隊員の能力を活用できる仕組みを拡充すべきである。企業OB、シルバー人材等について、技術協力への参加機会の増大を図る等人材の確保・活用に努力すべきである。

さらに、開発途上国の地域研究、状況分析等開発協力に関連する研究機関のより一層の拡充に努めるべきである。特に、国際開発高等教育機構の研究体制の充実を図る観点から、「国際開発大学」(仮称)構想の推進を含め、同機構の拡充を検討すべきである。

 

提言19 国会のODAに対する恒常的な関与の拡充強化

ODAは外交政策の重要な柱の1つであり、その原資が国民の貴重な税金等により賄われていること等にかんがみ、国会のODAに対する恒常的な関与が一層強められるべきである。

国会審議の活性化の前提となるODA関係資料の内容の充実が図られ、議院又は委員会への提出が進められるべきである。特に、ODA予算の全体像が分かる資料が提出されるべきである。さらに、「我が国の政府開発援助の実施状況に関する年次報告」において、特に、国別援助方針の部分をはじめとして内容の充実が図られるべきである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION