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また、国別援助計画を充実したものにするため、援助政策・実施機関の現地体制の強化を進めるとともに、国内の政策機関、実施機関において地域的な対応の充実が図られるよう見直しを進めるべきである。

 

提言10 0DA中期政策の策定の検討

我が国は5次にわたるODA中期目標を設定し、ODAの量の拡充、質の向上に努めてきた。中期的な政策目標の設定は、例えば今後5年間にわたる我が国のODA政策を明らかにし、国際社会へのメッセージとして我が国のODAについての考えを明らかにするとともに、国民に対する説明責任を果たす観点からも重要性を有している。

平成9年6月3日に閣議決定された「財政構造改革の推進について」は、ODA予算に関連して「量的目標を伴う新たな中期目標の策定は行わない」としているが、政府は当該閣議決定を尊重しつつ、政策の方向性、ODAの質的向上の具体的な方途、重点的な配分地域・分野等を明らかにする次期中期政策を策定し、必要に応じて見直しを行うことを検討すべきである。

 

提言11 援助実施休制の見直し、現地機関への権限委譲の促進、援助実施要員の確保

我が国の援助実施体制は、技術協力分野に見られるように多数の省庁に所管が分かれ、また、実施機関も複数存し、ODA全体の一体性・整合性に欠けているとの批判が強い。また、援助に関する意思決定がほとんど国内で行われ、開発途上国の実情を把握している現地の機関を十分活用する体制となっていない。さらに、援助量やきめの細かい援助の必要性の増大に対し実施要員の確保が追いつかない状況が慢性化している。

適正かつ効果的な援助実施体制を構築するため、一元化の方向で政策機関、実施機関について体制の見直しに向けて検討に着手すべきである。また、相手国の要請に的確迅速に対応する観点から、現地の機関への権限の委譲を一層促進すべきである。さらに、政策機関、実施機関ともに援助実施要員の着実な増員に努めるとともに、相手国の事情に精通した現地専門家の採用を積極的に図るべきである。

 

 

 

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