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提言7 環境ODAの重視と人材の確保

地球環境の保全は、「地球全体の安全保障」「人類の安全保障」に直接関わる重大な問題である。平成9年国連環境開発特別総会において、我が国が発表した「21世紀に向けた環境開発支援構想」に基づき、環境ODAの量的拡充、質的向上に引き続き努めるとともに、援助案件の形成過程において相手国との政策対話等の機会を通じて、環境問題の解決に向けた開発途上国の自発的な取組を促すよう努力すべきである。

特に、環境ODAの充実における技術協力の重要性にかんがみ、公害防止技術等を有する企業OB等のシルバー人材に対し技術協力参加の機会増大を図るなど、環境分野の人材の確保に努力すべきである。

 

提言8 社会開発分野の重視

平成7年の「社会開発サミット」では、先進国はODAの20%を、開発途上国は国家予算の20%をそれぞれ基礎的社会プログラムに配分することを求める「20対20協定」が採択された。この分野に対する我が国の二国間ODAはこの水準を満たすものとなっているが、「人間中心の開発」が援助におけるキーワードとなっていること、「新開発戦略」が社会開発分野、とりわけ保健・医療・教育分野を中心に数値目標を掲げ、その達成を提案していることから、政府はより一層社会開発分野を重視し、「新開発戦略」が掲げる諸目標の実現に向けて積極的に取り組むべきである。

 

提言9 国別援助方針の充実による国別援助計画の策定と関連体制の整備

現在21か国の被援助国について基本方針、当該国の経済の現状と課題、開発計画、援助実績から成る国別援助方針が策定され、「我が国の政府開発援助の実施状況に関する年次報告」及び「ODA白書」において公表され、他の被援助国については我が国のODAの実績と在り方が「ODA白書」において示されている。

各国のニーズに的確に対応して援助の方向性を示し、援助政策に関する国民への説明責任を果たすため、政府は主要被援助国に関して、国別援助方針の内容を充実させた国別援助計画を策定・公表するとともに、その他の被援助国に関しても詳細な援助計画を可能な限り策定・公表すべきである。

 

 

 

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