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8. 開発援助の専門家の確保について

被援助国からの多様なニーズにこたえるため、開発援助の専門家を幅広く確保することが求められていることから、政府はこれらの人材の発掘、養成及び確保のための制度を更に強化すること。

また、海外派遣の円滑化とODA経験者の更なる活用を図る見地から、帰国後の再就職対策、再教育システムを含む国内における支援体制を充実すること。

 

9. ODAの不正防止について

政府は、インドネシアのリベート疑惑に関する本委員会の指摘により、OECF調達ガイドライン改訂による制裁措置の追加等の改善措置を講ずることとしたが、ODAをめぐる不正を防止し、国民の不信感を払拭するため、今後もODAに関する不正防止のための法令、調達ガイドライン等の整備及び監視に努めるとともに、あらゆる機会を通じて援助実施機関や関係民間業者などに対し、その趣旨の徹底を図ること。また、被援助国に対しても、事業実施の透明性を高めるなど、更に不正防止の徹底を求めること。

 

10. 重債務貧困国に対する債務救済について

重債務貧困国に対する債務救済に当たっては、その財源が国民の負担によって賄われていることにかんがみ、我が国が債務救済に至った事情を国民に対して十分説明し、理解と協力が得られるよう引き続き努力すること。また、債務救済がモラル・ハザードを引き起こすことのないよう、対象国に対し、引き続き自助努力を促すとともに、これまで以上に資金の使途の監視を強めること。

さらに、重債務貧困国に対する今後の援助に当たっては、被援助国の実情に即した適切な検討を加え、援助の在り方について早急に結論を得ること。

右決議する。

 

援助外交における地方自治体の活動の重要性

これまで述べたように、国会では国民の参加という視点からもODAの在り方を追求してきたが、地方自治体の国際協力、援助という点は見落としていたと言っても過言ではない。NGOの活動については以前から認識されており、NGOとの協力という文言はこれまでにいくつかの報告や意見の中で見られた。しかし、地方自治体との協力という文言が登場したのは、98年6月の第4次国際問題に関する調査会の報告書のODAに関する提言の第13項「国民参加型援助の推進」が初めてである。

 

 

 

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