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世界都市東京フォーラム「技術からの考案」会議録

 事業名 基盤整備
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


つくろうと思ったらつくれると思います。首都高速道路に出るところをたくさんつくると、ある程度の渋滞は解消できると思います。しかしそれだけでは本質的には解決しない。

東京都を通り抜ける高速自動車道路を環8には2階建てにしてつくるようにすべきだと言ったのだけど、それをしなかった。環8をそうすれば、高速道路は全部都心まで行かないで高速1号線、2号線、3号線、4号線、5号線をこの環8高速道路で全部つなぐことができる。環8を高速にしないで多摩川の土手をつかって9号環状線をつくって高速にしますと、建設省(現国土交通省)が今から15年前に言ったんですが、なかなかできそうもない。

それから、東京都と千葉県と埼玉県が、多摩川と隅田川、荒川に橋を10個つくれば、ここ4、5年の交通渋滞は大部分解消するのではないかと思います。四国に橋を3つもつくらないで、その1つ分の費用でできたに違いないと思うのです。

 

●ディスカッション

 

世界史の構築から見た東京

 

菊竹 取りまとめとして、私の東京論をちょっとお話します。私が今、気にしております、世界史の構築という問題をのべさせていただきます。

日本にとって「世界史の構築」ということが今欠けている問題ではないかと思います。世界史の構築から見た東京はどうなのか。世界史の構築を気にしておりますのは、日本の置かれている状態が非常に微妙で、16世紀以降、せっかくユーラシア大陸で、東の日本と、西のヨーロッパ(イタリア)、これがほとんど同時に中国の文明の刺激を受けて、一方はルネッサンス文化になり、一方は江戸文化という形でこの2つが世界のその後の発展に影響を与えております。

ところが、その後のライフスタイルを見ると、16世紀にイタリアで、17世紀にスペインが覇権をとって世界の理想になり、またそのスペインに勝った英国のチューダー様式が18世紀の世界の理想のような形になっている。さらに19世紀になると、英国の様式が今度はフランスとドイツの様式に変わり、こうして非常に大きな文化の集中をやった。その結果、私たちは、みんなヨーロッパがいいと言っている。そしてそれが20世紀になるとアメリカに移って、コロニアルスタイルが世界中の人気の中心になった。

その理由を私なりに建築をとおして考えてみると、ギリシャ時代のギリシア建築がなぜ原点になっているのか。それはヨーロッパ、あるいは中近東からイスラムにかけての文化が地中海文明に流れこんでミックスしたことが、ギリシャ文明をつくり出したのではないか。同じように、アメリカも、ヨーロッパのいろいろな文化が、移民によってミックスする条件ができ上がって、植民地スタイルと言いながらも、だれもが何となくそこに郷愁を感じたり、自由な雰囲気をそこに感じられるというので、経済的軍事的覇権の問題もありますが、世界の中心になってきている、ということがあります。

そう考えると、日本の位置というのは、ある意味では世界の文化がミックスする条件があるかないかということは非常に重要な問題で、日本は幸い歴史的に海外のいろいろな文化をどんどんミックスするのに非常にたけていましたので、アメリカがミックスした以上に日本がミックスする可能性が高いんじゃないかというのが私の楽観的な見通しです。

それで、アメリカと日本が今後どうなるか。これにユーロが加わって、この三極がどうなるか。それには、経済の発展が非常に大きいと思います。経済の発展は、環境づくりのほうから言うと、産業革命は18世紀にイギリスで始まりましたが、戦後に日本がとにかく大変な産業構造をつくり上げました。これは輸出型だったのですが、非常にうまく成功して、世界を圧倒するまでになった。アメリカを超えて日本が経済的に覇権国になるんじゃないかとハーマン・カーンなどに言われたりしましたが、最近多少陰りが見えているようです。しかし、依然として、日本の経済力・技術力・文化の力は大きいと考えているわけです。

そういうことを背景にすると、次の21世紀は、アメリカがそういうミックスをさらに発展させていくのか、あるいは日本がミックスの世界文化をつくり出していくか、それともユーロなのか、これがこれからの勝負になるのではないか。

 

 

 

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